［J１第27節］横浜 １－１ 鳥栖／９月15日／ニッパツ三ツ沢球技場

　サガン鳥栖は９月15日、J１第27節で横浜F・マリノスと対戦し、１－１で引き分けた。

　この試合で鳥栖の攻撃を牽引したのは、左サイドの長沼洋一と菊地泰智だ。開始２分に手塚康平のサイドチェンジを受けた左サイドハーフの長沼が大外で時間を作り、相手の右SBを釣り出すと、空いた内側のスペースに左SBの菊地が走り込んでクロスを上げ、堀米勇輝の決定機を演出。22分にも同様の形で左サイドを攻略し、中央でパスを受けた堀米がミドルシュートを放ったが、クロスバーに直撃した。

　その後も左サイドのポケットを幾度も狙い続けて相手にイメージを刷り込んだ後、87分に長沼が意表を突くカットインシュートで貴重な先制点をマーク。ポケットを消してきた横浜の守備対応を逆手に取る、鮮やかなゴールだった。

　試合後、長沼が得点シーンを次のように振り返った。

「練習していた形でしたし、90分を通してポケットを取り続けたからこそ、カットインの選択が効いて、あのゴールが生まれました。僕がたまたま点を取りましたが、チーム全体の動きがあっての得点。みんなに感謝したいです」
【動画】先取点となった長沼のカットインシュート!!

　上手く試合を運び、先制点を奪ったが、結果は終盤に追いつかれてのドロー。あと一歩のところで“勝点２”が手からこぼれ落ちた形だ。長沼も悔しさを口にしている。

「今日はチャンスもピンチも多くあったなかで、あの時間で得点できたのに勝てなかった。理由は、疲れから詰めの甘さや気の緩みが最後の最後に出てしまったからです。結局、個のところでどれだけ相手に離されないか。やはり練習から強度を高めないと、試合で出てしまうので、普段からより高いレベルを要求していかなければいけないのかなと」

　内容は良いのに勝点３を掴み切れない、という試合が多い今季の鳥栖。上位に進出していくためには、フィニッシュの精度や終盤まで集中の切れない守備など、攻守において細部を詰めていく必要があるだろう。

　長沼が言うように、トレーニングからより高い意識を持ち、選手同士で要求し合う回数がさらに増えれば、チーム力も高まるだろう。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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