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「未月とトモニ」という思いが詰まった逆転劇。ヴィッセル山口蛍は、最後までピッチを走り続けた

カテゴリ:Jリーグ

白井邦彦

2023年09月04日

猛暑日が続く夏場にスプリント回数が増加

攻守両面でタフに戦い続ける山口。写真:梅月智史

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[J1第26節]神戸 2-1 京都/9月3日/ノエビアスタジアム神戸

 前日に首位の横浜が敗れたため、勝点1差で2位の神戸は、勝てば首位に返り咲ける状況だった。

 J1リーグも残り9試合となり、神戸としてはこの好機を絶対に逃したくはない。だが、選手たちの士気を高めさせたのは、首位奪還の野望ではなく、「未月とトモニ」という想いだった。

 24節の柏戦で全治1年の大怪我を負った齊藤未月へ捧げる勝利。そこにフォーカスした。

 神戸は齊藤が負傷した24節から公式戦での勝利がなかった。齊藤が負傷した柏戦は1-1で引き分け、翌25節のFC東京戦も2-2。中3日で迎えた天皇杯準々決勝では、J2熊本に延長PK戦の末に敗れてしまう。

 齊藤の抜けた影響は想像以上に大きかったと言わざるを得ない状況だった。

 今季の神戸は1トップの大迫勇也、ウイングの武藤嘉紀と汰木康也、ジェアン・パトリッキといった個性を活かした戦術を採用してきた。ロングフィードを多用したのも個を活かすためだが、攻撃に厚みを出すうえでテーマとなっているのが、セカンドボールの回収である。その担い手が高いボール奪取能力を誇る山口蛍であり、齊藤だった。

 齊藤が抜けたことで回収率が著しく低下したと一概には言えない。だが、豊富な運動量が売りでもある齊藤が抜けたことで、周りの選手の負担が増えたのは確かなようだ。
 
 注目したいのは、山口のトラッキングデータである。齊藤と4-4-2の可変システムでダブルボランチを組む山口は、齊藤の離脱前からチームトップクラスの総走行距離をマークしていた。

 それを維持しながら、ここ2試合ではスプリント回数が大幅に増えている。齊藤が負傷した柏戦はチーム5位の10回だったのに対して、次のFC東京戦はチーム2位の21回。そして今節の京都戦では両チーム合わせてトップの22回という数字を残している。

 ちなみに今シーズンからスプリントの定義が時速24キロ以上から「時速25キロ以上のスピードで1秒以上走った回数」に変更されている。その影響で全体的にスプリント回数は減少傾向だが、山口は35度以上の猛暑日が続く夏場に回数を増やしているから驚く。

 しかも、京都戦での総走行距離はチーム1位の10.825キロだ。山口が齊藤の抜けた穴をフォローしているのは数字が物語っている。

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