今夏に横浜FCからオランダ１部NECに期限付き移籍した小川航基。リーグ開幕戦で打点の高いヘッドで移籍後初ゴールをマークすれば、続く２節では左足のコントロールショットで２戦連発。自身初の欧州の舞台で、早くも目に見える結果を残している。

「簡単なことではないよ」

　現役時代はジュビロ磐田や横浜FCでチームメイト、引退後は横浜FCのコーチとして小川を見てきた中村俊輔が、桐光学園の後輩でもある26歳FWのハイパフォーマンスを称える。

　一方で「シーズンを通して、が一番だから」と、コンスタントな活躍に期待を寄せる。「これからマークされたり、いろんな問題や壁が出てくる」なかで、どれだけゴールを積み重ねられるか。

　小川は「必ず成長し、日本を代表する選手になりたい」と野望を抱いて海を渡った。その高い志を俊輔も知っているからこそ、さらなる奮起に注目している。

「本人が言っていたように、代表を目ざすなら、ゴールや結果。海外に行って、またワンランク伸びてほしい」

　日本と異なる環境では、様々な可能性が広がっている。

「同じリーグだけじゃなくて、向こうではいろんなことを吸収できる。一回しかないサッカー人生だから、いろいろ見て、挑戦してほしい」
【動画】小川航基、開幕２戦連発の活躍ぶり

　海外で揉まれて、一回りも二回りも逞しくなっていく過程で、俊輔が強調したのが、これまでに培ってきた経験だ。

「日本で学んだことを軸にというのが、やっぱり大事だと思う。そこを忘れないで。献身さとか、そういう日本ならではのもの」

　現地で新たに学ぶべきことがあれば、日本人選手が誇れる武器もある。イタリア、スコットランド、スペインと欧州クラブで名を上げた先達は、その説得力ある実績を踏まえて、「頑張ってほしい」と小川にエールを送った。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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