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中国の育成年代を熱血指導。「サッカーが好きか?」と問いかける日々。西谷冬樹、53歳。「誰もやっていないことをしたい」と意欲を燃やす

カテゴリ:ワールド

松尾祐希

2023年08月17日

就任当初はオンラインで指導

浙江緑城のU-18で監督を務める西谷氏。中国で先駆者になりたいと情熱を注ぐ。写真:松尾祐希

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 齋藤学(現・ベガルタ仙台)や水沼宏太(現・横浜F・マリノス)らの育成に携わってきたひとりの日本人が、異国の地で新たなチャレンジを続けている。

 西谷冬樹、53歳。26年に渡って横浜に籍を置き、ジュニア年代からユース年代で指導してきた。2019年シーズン限りで愛着のあるクラブを退団すると、20年からは中国に渡ったのだ。

 新天地は中国1部リーグに所属する浙江緑城足球倶楽部のU-18チーム。監督として迎え入れられ、有望株の育成を手助けする形になった。

 浙江緑城というチーム名に聞き覚えがないかもしれないが、杭州緑城足球倶楽部の名は耳に覚えがあるだろう。杭州緑城は岡田武史氏が2012年から2年間率いたチームであり、2021年からクラブ名を「浙江緑城」と変えて活動している。

 なぜ、西谷氏は中国で再スタートを切ることになったのか。きっかけは岡田氏の存在だった。

 岡田氏がオーナーを務める今治FCと2016年から業務提携を結んでおり、今治に加わった西谷氏は出向という形で浙江緑城のU-18チームで指揮を取ることになった。

 しかし、クラブに加わった20年の春はコロナ禍の真っ只中。特に中国は規制が厳しく、渡航が簡単にできない状況に陥っていた。しかも、単身赴任となれば、自分の意思だけでは決められない側面もある。だが、西谷氏の気持ちは揺らがなかったという。

「コロナが流行るなんて思ってなかったですよね(笑)。ただ、途中で中国に行くのが嫌だなとか、渡航を止めようかなみたいな気持ちにはならなかったです」

「イングランド、スペイン、ドイツ、ブラジル、セルビアなどいろんな国から指導者が来ている。日本にいると日本の指導者がほとんどだけど、中国にはいろんな国の指導者と関われる。そのなかで一番になりたいんです。日本人ができるというのを見せたい」
 
 確固たる決意で指導にあたったが、就任当初は多くの困難に見舞われた。コロナ禍のため、渡航ができずに最初の8か月間はオンラインでの指導となった。クラブ側からの要請で試合映像をリアルタイムで見ながら指示を出したが、インターネット回線の問題で上手く伝わらない。

 30秒ほどのラグがあり、自分が指示を伝えても、すでに次のプレーに移行している状況は日常茶飯事。スタッフとも直接対面できず、当然オンラインだけのやりとりで関係性を構築するのは難しかった。渡航後も通訳を介しながらコミュニケーションを取ってきたが、日本と中国の文化の違いに戸惑ったという。

「中国はトップダウンで物事が進んでいく。だから、言われないと選手たちはやらない。逆に言えば、言われたことはやる。でも、それ以上はやらない。そういう思考が根強くて、自分たちで考えさせるように仕向けているけど、気づくまでに時間がかかる。居残り練習をする選手もほとんどいないんですよ。なので、いつも彼らに『サッカーが好きか?』という投げかけはしていますね」

 そうしたメンタリティの違いは、試合中にも現われる。

「大差がついてしまうと、選手たちは諦めてしまうんです。もう俺ら無理でしょうと。2、3点の差がついてしまうと5点、6点と取られてしまう」

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