G大阪戦で痛かった前半での3失点
[J1第22節]川崎 3-4 G大阪/8月6日/等々力陸上競技場
川崎にとっては痛い敗戦となった。
予想以上に苦しいシーズンを過ごすなかでも、覇権奪回を目標に掲げ続ける川崎は、首位の神戸とは勝点12差。もっとも次節に直接対決(8月12日に神戸とホームで対戦)を控えるなかで、少しで差を縮めたい状況であった。
「残りの試合はすべて決勝戦のつもりで戦う」
指揮官の言葉通り、気持ちの入っていたチームは、前線に離脱が長引いていたレアンドロ・ダミアンとマルシーニョのふたりを先発復帰させ、攻撃の迫力を増した良い入りができたように見えた。
しかし、川崎同様にボールを丁寧につなぐG大阪に対し、守備が上手くハマらず、全体が下がり、相手に自由な時間を与えてしまう。
13分には相手のワンツーで左サイドを崩され、先制点を奪われる。負けじと27分には左サイドで家長昭博、橘田健人、登里享平とつなぎ、ペナルティエリアで受けた脇坂泰斗が決めて同点に追いつく。
それでも30分にはPKで、41分にはCB高井幸大のパスミスで連続失点。後半から登場した瀬川祐輔の2ゴールで再び同点に追いついたが、後半アディショナルタイムにCKから決勝弾を奪われて、力尽きた。
川崎にとっては痛い敗戦となった。
予想以上に苦しいシーズンを過ごすなかでも、覇権奪回を目標に掲げ続ける川崎は、首位の神戸とは勝点12差。もっとも次節に直接対決(8月12日に神戸とホームで対戦)を控えるなかで、少しで差を縮めたい状況であった。
「残りの試合はすべて決勝戦のつもりで戦う」
指揮官の言葉通り、気持ちの入っていたチームは、前線に離脱が長引いていたレアンドロ・ダミアンとマルシーニョのふたりを先発復帰させ、攻撃の迫力を増した良い入りができたように見えた。
しかし、川崎同様にボールを丁寧につなぐG大阪に対し、守備が上手くハマらず、全体が下がり、相手に自由な時間を与えてしまう。
13分には相手のワンツーで左サイドを崩され、先制点を奪われる。負けじと27分には左サイドで家長昭博、橘田健人、登里享平とつなぎ、ペナルティエリアで受けた脇坂泰斗が決めて同点に追いつく。
それでも30分にはPKで、41分にはCB高井幸大のパスミスで連続失点。後半から登場した瀬川祐輔の2ゴールで再び同点に追いついたが、後半アディショナルタイムにCKから決勝弾を奪われて、力尽きた。
瀬川を中心に、瀬古樹、佐々木旭、山田新らの交代出場選手が奮闘し、打ち合いの展開では、さすがの力強さもあった。3-3に追いついた際の雰囲気は、等々力劇場と呼べる独特な高揚感も広がっていた。
観ている者たちにとっては迫力のあるゲームと言えたのかもしれない。もっとも気になったのは、やはり前半での3失点であり、重心が下がったようなルーズな守備である。
指揮官にその点について訊けばこう返ってくる。
「もう単純にやっぱりスイッチが入らなかったというか、誰でもいいのですが、誰かがボールにアタックしに出ていく。その時に自陣のところは構えるのは仕方ないかなと思いますが、そこのところが非常にルーズになっていたというか、間が非常に空いていました。
自陣のところはしっかりとコンパクトに中を締めながら追い出していけるような形を取れれば良かったですが、簡単に間を通されたり、当然ボールがフリーだからそういうことも起きるのですが、ただフリーでもしっかりと締めておけば違う形でいけたかなと思います。そこのところも含めて自分がもっとできたことはあるかなと。もっともっとしっかりと伝えられればよかったなと考えています」
この日、2ゴールを奪い、チームの希望になった瀬川も今後のポイントを挙げてもらうと、守備面を口にする。
「フロンターレの良さを守備でも出さなくてはいけないかなと感じています。やっぱり点は取れます。一時期、取れない時期もありましたが、今は点を取れるし、みんなのイメージも共有できている。だからこそチームとして守備をしなくちゃいけないかなと感じます。
連動した守備をする、ここはがっちりブロックを引くだとか、いろんな守備のやり方があると思いますが、一人ひとりが助け合って、チームとして戦うことができれば、もっと強くなると思いますし、今の攻撃を精度高くやっていけば、全勝もあり得ると感じています。
次は神戸戦ですが、(前回のアウェー戦では)2-0から2-2に追いつかれて、あれは体力的なところも含めてやられてしまったと思うので、90分間、とにかく気持ちを切らさずに、必ず点は取れるから無失点で終えられるように良い準備をするだけです。気持ちの整理と身体のケアとそういうところだと感じます」
3失点目に絡んだ18歳のCB高井に厳しい声が寄せられる向きもあるようだが、G大阪のプレスに追い込まれ、チームとして連動性を欠いていた影響もあり、彼だけに責任を求めるのは酷というものだろう。
過渡期を迎えている今季のチームは、得点力の向上を図ってきたが、G大阪戦では逆に守備面での強度が失われたようにも映る。
交代選手を生かして同点に追いついた後半の勢いは見事だったが、2失点目を喫した後、被弾した最終盤のCKを含めて要所を締められる選手がいなかったことも不安に感じる。
瀬川も「最低でも勝点1を拾わなければいけなかった。最後の場面は誰のせいとかではなくて、チーム全体で締めなければいけなかったですし、僕自身もあそこで声をかけなくてはいけなかった」と語っている。
試合の展開を読み、チームとして意思を共有できるのか、もしくは力強く周囲を牽引し、締めるべき時間帯にチームを締められる選手の登場に期待するのか。世代交代の真っ只中で、試合巧者ぶり、勝負強さがなかなか表われない現状をどう乗り切るかで、逆転優勝へ残り試合を全勝する覚悟が現実のものにできるか大きく関わってきそうだ。
それでも諦めないのが鬼木監督が率いる川崎というチームである。ここからの力強い歩みに期待したい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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観ている者たちにとっては迫力のあるゲームと言えたのかもしれない。もっとも気になったのは、やはり前半での3失点であり、重心が下がったようなルーズな守備である。
指揮官にその点について訊けばこう返ってくる。
「もう単純にやっぱりスイッチが入らなかったというか、誰でもいいのですが、誰かがボールにアタックしに出ていく。その時に自陣のところは構えるのは仕方ないかなと思いますが、そこのところが非常にルーズになっていたというか、間が非常に空いていました。
自陣のところはしっかりとコンパクトに中を締めながら追い出していけるような形を取れれば良かったですが、簡単に間を通されたり、当然ボールがフリーだからそういうことも起きるのですが、ただフリーでもしっかりと締めておけば違う形でいけたかなと思います。そこのところも含めて自分がもっとできたことはあるかなと。もっともっとしっかりと伝えられればよかったなと考えています」
この日、2ゴールを奪い、チームの希望になった瀬川も今後のポイントを挙げてもらうと、守備面を口にする。
「フロンターレの良さを守備でも出さなくてはいけないかなと感じています。やっぱり点は取れます。一時期、取れない時期もありましたが、今は点を取れるし、みんなのイメージも共有できている。だからこそチームとして守備をしなくちゃいけないかなと感じます。
連動した守備をする、ここはがっちりブロックを引くだとか、いろんな守備のやり方があると思いますが、一人ひとりが助け合って、チームとして戦うことができれば、もっと強くなると思いますし、今の攻撃を精度高くやっていけば、全勝もあり得ると感じています。
次は神戸戦ですが、(前回のアウェー戦では)2-0から2-2に追いつかれて、あれは体力的なところも含めてやられてしまったと思うので、90分間、とにかく気持ちを切らさずに、必ず点は取れるから無失点で終えられるように良い準備をするだけです。気持ちの整理と身体のケアとそういうところだと感じます」
3失点目に絡んだ18歳のCB高井に厳しい声が寄せられる向きもあるようだが、G大阪のプレスに追い込まれ、チームとして連動性を欠いていた影響もあり、彼だけに責任を求めるのは酷というものだろう。
過渡期を迎えている今季のチームは、得点力の向上を図ってきたが、G大阪戦では逆に守備面での強度が失われたようにも映る。
交代選手を生かして同点に追いついた後半の勢いは見事だったが、2失点目を喫した後、被弾した最終盤のCKを含めて要所を締められる選手がいなかったことも不安に感じる。
瀬川も「最低でも勝点1を拾わなければいけなかった。最後の場面は誰のせいとかではなくて、チーム全体で締めなければいけなかったですし、僕自身もあそこで声をかけなくてはいけなかった」と語っている。
試合の展開を読み、チームとして意思を共有できるのか、もしくは力強く周囲を牽引し、締めるべき時間帯にチームを締められる選手の登場に期待するのか。世代交代の真っ只中で、試合巧者ぶり、勝負強さがなかなか表われない現状をどう乗り切るかで、逆転優勝へ残り試合を全勝する覚悟が現実のものにできるか大きく関わってきそうだ。
それでも諦めないのが鬼木監督が率いる川崎というチームである。ここからの力強い歩みに期待したい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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