“川崎の希望”となった瀬川祐輔。打ちあいで敗れたG大阪戦で見せた2ゴールの意地

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2023年08月07日

試合には3-4で敗れるが

試合には敗れたとはいえ、一時は同点に追いつく2ゴールを挙げた瀬川。好調ぶりが光る。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第22節]川崎 3-4 G大阪/8月6日/等々力陸上競技場

 G大阪との点の取り合いは、後半アディショナルタイムにCKからダワンにヘッドで決勝点を奪われ、川崎は痛い敗戦を喫した。

 試合の入りこそ悪くなかったが、一度、守備に回ると全体が下がってしまい、13分には先制点を献上。27分には脇坂泰斗のゴールで追いついたが、PKとミス絡みで連続失点。1-3で試合を折り返す苦しい状況となった。

 その空気を変えたのが、後半開始から左ウイングとして送り出された瀬川祐輔である。

 攻めるしかない展開で、果敢にゴールへ迫ると、71分には相手陣内右サイドの深いエリア、スローインからの流れで、FW山田新のポストプレーから脇坂がエリア内に侵入すると、その折り返しを「当たりそこなったんですが、気持ちでなんとかなった」と瀬川が押し込んで、1点を返す。

 さらに4分後、右サイドの脇坂のクロスから、瀬古樹、佐々木旭の連続でのシュートはブロックされるも、瀬川はそのこぼれ球を冷静に蹴り込んで同点に導いてみせたのだ。

 結果としては前述したとおり、決勝弾を奪われて敗戦したが、瀬川は“川崎の希望”とも言えるような結果を残したと称せるだろう。
 
 今季加入のアタッカーは、技術力を生かした川崎独自のサッカーへの適応を意識しながら、ゴール前でのダイナミックさや、危険なエリアへの走り込み、献身的な動きなど、自らの特長を上積みさせてきた。

 ライバルが多いチーム状況にあって先発での出場機会は限られるが、今の想いを訊けば、チームを鼓舞するかのような熱い答えが返ってくる。

「自分は今、サブでやってきているので、モチベーションとしてはスタメンで出られるようにと思いながら毎日練習しています。出た時に絶対点を取ろう、結果を出そう、ゴールに絡もうという気持ちで常にやっています。それは変わりません。

 なので、別にサブだからどうこう思うわけではなく、自分が出た時にどれだけ結果を出して、どれだけチームに貢献できるか。自分の良さを出せればチームに貢献できる自信はあるので、常ににそういう意識で取り組んでいます」

 チームはこれで9勝5分8敗の7位。首位の神戸とは残り12試合で勝点12差だ。同節で神戸が敗れただけに、勝点差を縮めて次節の直接対決(8月12日に神戸とホームで対戦)に臨みたかったが、痛い敗戦となった。

 そのなかで今、チームには何が必要なのか。瀬川はこう話してくれた。

「フロンターレの良さを守備でも出さなくてはいけないかなと感じています。やっぱり点は取れます。一時期、取れない時期もありましたが、今は点を取れるし、みんなのイメージも共有できている。だからこそチームとして守備をしなくちゃいけないかなと感じます。

 連動した守備をする、ここはがっちりブロックを引くだとか、いろんな守備のやり方があると思いますが、一人ひとりが助け合って、チームとして戦うことができれば、もっと強くなると思いますし、今の攻撃を精度高くやっていけば、全勝もあり得ると感じています。

 次は神戸戦ですが、(前回のアウェー戦では)2-0から2-2に追いつかれて、あれは体力的なところも含めてやられてしまったと思うので、90分間、とにかく気持ちを切らさずに、必ず点は取れるから無失点で終えられるように良い準備をするだけです。気持ちの整理と身体のケアとそういうところだと感じます」

 瀬川のゴールが次は勝利につながるよう期待したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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