約20年で劇的に変化した
今年6月、日本代表はペルー代表を完膚なきまでに叩きのめしている。4-1というスコア以上に、サッカーの質で上回った。技術や体力以上に、戦術の成熟度というのか。プレッシング、トランジションといったところで、時代の最先端にアップデートできていた。
何も、ペルーが弱小だったわけではない。
FWパオロ・ゲレーロは39歳になるベテランだが、かつてはバイエルン・ミュンヘンに所属し、ハンブルクでは6シーズンに渡ってプレー、ブラジル、コリンチャンスでは2012年にクラブワールドカップ優勝に貢献している。ペルー代表としては100キャップ以上を刻み、コパ・アメリカでは過去に3度も大会得点王に輝いたストライカーだ。
33歳になるFWジャンルカ・ラパドゥーラは、かつてACミランやジェノアで活躍し、現在もセリエBカリアリでゴールを量産、昨シーズンは自身2度目の得点王になっている。
他にも、クリスティアン・クエバ、ジョシマル・ジョトゥン、カルロス・サンブラーノ、ペドロ・ガジェセなど30歳以上の選手たちは長くペルー代表を支え、様々な国でのプレー経験も豊富な実力者だ。
しかし欧州のトップリーグで主力の選手は一人もいない。
【動画】「人生で一度も見たことがない」ペルーの記者が激怒した久保の行動
何も、ペルーが弱小だったわけではない。
FWパオロ・ゲレーロは39歳になるベテランだが、かつてはバイエルン・ミュンヘンに所属し、ハンブルクでは6シーズンに渡ってプレー、ブラジル、コリンチャンスでは2012年にクラブワールドカップ優勝に貢献している。ペルー代表としては100キャップ以上を刻み、コパ・アメリカでは過去に3度も大会得点王に輝いたストライカーだ。
33歳になるFWジャンルカ・ラパドゥーラは、かつてACミランやジェノアで活躍し、現在もセリエBカリアリでゴールを量産、昨シーズンは自身2度目の得点王になっている。
他にも、クリスティアン・クエバ、ジョシマル・ジョトゥン、カルロス・サンブラーノ、ペドロ・ガジェセなど30歳以上の選手たちは長くペルー代表を支え、様々な国でのプレー経験も豊富な実力者だ。
しかし欧州のトップリーグで主力の選手は一人もいない。
【動画】「人生で一度も見たことがない」ペルーの記者が激怒した久保の行動
一方で、日本代表選手たちは多くが欧州のトップクラブで主力を張り、スタートリストだけでペルー代表選手を圧倒していた。プレミアリーグのブライトン、ブンデスリーガのフランクフルト、シュツットガルト、ボルシアMG、リーグ・アンのスタッド・ドゥ・ランス、ポルトガルリーグのポルティモネンセ、そしてスコットランドリーグ王者のセルティックと錚々たるものだ。おまけに、ベンチにはヨーロッパリーグを席巻したレアル・ソシエダ、フライブルク、スポルティングの所属選手たちが控えていた。
日本サッカーが、これだけの陣容を揃えられるようになった事実は特筆に値する。2002年日韓ワールドカップ当時、海外組は中田英寿、小野伸二など4人だけ。しかも、稲本潤一、川口能活はポジションを奪い取れていなかった。
約20年で、これだけ劇的に変化したのだ。
海を越えて挑戦している選手は、戦術的洗練度がまるで違っている。戦いの中で形を変化させ、適応できるし、そのスピードが速い。練習でも試合でも、高いレベルで揉まれていることによって、戦い慣れている。攻守の切り替えやプレッシングなど周りと合わせることができたし、それが欧州のスタンダードなのだろう。
言うまでもなく、各国リーグでプレースタイルは違うが、異国のやり方に適応したことがある選手は、他のものに適応するのも造作ない。何かを習得した人間は、他のものを習得するのも優れる。分かり切った定理だ。
それが「欧州組は圧倒的に戦い慣れている」ことに結びつくのだろう。
どんどん海外に進出し、成長し続ける日本サッカー。その真価が出た一戦だった。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
【画像】ソシエダ地元紙が注目!久保とペルー代表DFのユニホーム交換
【PHOTO】日本代表のペルー戦出場17選手&監督の採点・寸評。3人が「7.5点」の最高点、MOMは1ゴール・1アシストの7番
【PHOTO】パナソニックスタジアム吹田に集結した日本代表サポーターを特集!
日本サッカーが、これだけの陣容を揃えられるようになった事実は特筆に値する。2002年日韓ワールドカップ当時、海外組は中田英寿、小野伸二など4人だけ。しかも、稲本潤一、川口能活はポジションを奪い取れていなかった。
約20年で、これだけ劇的に変化したのだ。
海を越えて挑戦している選手は、戦術的洗練度がまるで違っている。戦いの中で形を変化させ、適応できるし、そのスピードが速い。練習でも試合でも、高いレベルで揉まれていることによって、戦い慣れている。攻守の切り替えやプレッシングなど周りと合わせることができたし、それが欧州のスタンダードなのだろう。
言うまでもなく、各国リーグでプレースタイルは違うが、異国のやり方に適応したことがある選手は、他のものに適応するのも造作ない。何かを習得した人間は、他のものを習得するのも優れる。分かり切った定理だ。
それが「欧州組は圧倒的に戦い慣れている」ことに結びつくのだろう。
どんどん海外に進出し、成長し続ける日本サッカー。その真価が出た一戦だった。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
【画像】ソシエダ地元紙が注目!久保とペルー代表DFのユニホーム交換
【PHOTO】日本代表のペルー戦出場17選手&監督の採点・寸評。3人が「7.5点」の最高点、MOMは1ゴール・1アシストの7番
【PHOTO】パナソニックスタジアム吹田に集結した日本代表サポーターを特集!