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関西経由→フロンターレ帰還。脇坂泰斗のように。立命館大MF戸水利紀が求める眩い輝き、圧倒的な存在感

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年06月21日

活動再開後に度重なる負傷

川崎U-18出身の戸水。技巧派MFは関西の地でさらなる成長を遂げ、川崎への帰還を果たせるか。写真:安藤隆人

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 初心を忘れない。

 関西学生リーグ1部に所属する立命館大のリズムメーカーである3年生MF戸水利紀は、川崎フロンターレU-18の1年の時に背負っていた25番のユニホームを身に纏って関西の地でプレーを磨いている。

「もともとは関東の大学志望でしたし、関東しか考えていなかった」

 川崎U-18では1年生から試合に出場し、ボランチ、トップ下のポジションから流れるようなドリブルと相手のタイミングをずらすパスで攻撃のリズムを構築する『川崎らしい選手』だった。

 しかし、トップ昇格を果たすことができず、かつ関東の大学にも進めなかった。

 それには理由があった。高校3年生の時、新型コロナウイルス感染症拡大が始まり、U-18の活動はストップした。その間、戸水は自宅周辺を走るなどをして体力維持に努めた。

 しかし、いざ活動が再開すると、ずっとアスファルトの上を走っていたことも影響して、いきなり下半身と上半身を繋ぐ唯一の筋肉である腸腰筋を肉離れしてしまった。さらに復帰したすぐに今度は右足首の距骨軟骨損傷という重傷を負い、1年間試合に出場できないまま高校生活が終わってしまった。

「トップ昇格に関しては、怪我をしていなくても僕の中では厳しいと高校2年生の段階で思っていたんです。関東の強豪大学に行こうと目標を切り替えて、高校3年生を勝負の年だと思っていたからこそ、試合に出られなくて関東の大学からも声がかからない状況は焦りを覚えました」
 
 だが、そのなかで立命館大が「欲しい」と言ってくれた。関西という考えは一切なかったが、試合に出ていない自分を欲しがってくれたことに感謝の念を抱いた戸水は、「脇坂泰斗選手もユースから阪南大学に進んで、関西でずば抜けたプレーを見せてフロンターレに戻ることができた。僕も関西で輝く選手になればフロンターレに戻れると思った」と、道を切り開いた偉大な先輩を目標の1つとして立命館大に進む覚悟を決めた。

「進路が決まってからはユースで試合に出ることよりも、大学入学時から良いコンディションでスタートすることを意識していた」と目標を再設定し直して取り組んだことで、離脱していた1年間を苦しみながらも前向きに過ごせた。

「関西に来てからもフロンターレのトレーナーの方と連絡をとってやっていた」と身体作りとケアに注力した結果、戸水は1年生から出番を掴み、立命館大にとってなくてはならない存在となった。

 2年生となった昨年、背番号を33番から25番にした。そして「勝負の年」と位置付けた今年、戸水はシーズン前に大きな刺激を仲間からもらった。

 2月、川崎U-18の1学年上で桐蔭横浜大の山内日向汰の川崎入りが発表された。

「ずっと一緒にプレーしていた選手でしたし、関西に来てもずっとLINEなどで連絡を取り合っていた仲だったので、決まったと聞いて本当に嬉しかったし、真っ先に『おめでとう』と連絡しました」

 戸水はよく関東リーグ1部の試合の映像を見ていた。そのうえで「関東のリーグのレベルってどう?」、「あのチーム、ここが強かったよね」、「桐蔭横浜大ってどんなトレーニングをしているの?」といろんなことを聞いていた。

 同時に、2年生で関東リーグ1部でアシスト王を獲得したり、チームの中心となってインカレ優勝の原動力となったりと、常に結果を出している山内に対し、「技術が高いし、局面も変えられる。走力もあるし、何より陰でしっかりと努力していることを聞いているので、自分も絶対に負けていられないと刺激をもらっています」と心からリスペクトしていた。

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