下級生だけで構成される守備陣をまとめあげ、終盤の逃げ切りに貢献。
阪南大高との開幕戦を制した駒澤大高。その守備陣を見ると、GKを含めて最終ラインはすべて1、2年生で構成されている。その中でディフェンスリーダーとなるのが、2年生CBの佐藤瑶大だ。183センチの高さと、高いビルドアップ力を持つ彼は、開幕戦という大一番で、リーダーにふさわしいプレーと立ち振る舞いを見せた。
試合前日にコンビを組む1年生CB西田直也が体調を崩し、病院に運ばれるアクシデントがあった。なんとか開幕戦の出場を果たすことができたが、「あいつが万全じゃない分、僕がそれをカバーしないといけないと思っていた」と、責任感を持って試合に臨むことができた。
その言葉どおり、彼はクレバーなプレーと得意のヘッドで、阪南大高の前に立ちはだかった。立ち上がりこそ阪南大高FW徳網勇晟のキレのある動きに手を焼いたが、徐々に落ち着きを取り戻す。「空中戦では絶対に負けないことと、僕らでリズムメイクできることを心掛けた」と、ハイボールではしっかりと競り勝ち、マイボールになったらすぐに蹴らずに、相手の状況を見てポゼッションかフィードを判断する。リズムが単調にならないようにしたことで、阪南大高は思うような攻撃を組み立てることができなかった。
2-0のリードで迎えた後半、立ち上がりはリードを奪ったせいか、前半の積極性が影を潜めた。その変化を佐藤は見逃さなかった。「すぐに後半の入り方が悪いと思った。なので、ここで失点をしたらまずいと思い、シンプルにプレーしようと思った」と、ポゼッションを意識していた前半からはっきりとしたプレーを選択。リズムの立て直しを図った。
61分に西田がドリブル突破を仕掛けた阪南大高の途中出場のFW木戸口蒼大を倒し、PKを献上。これを決められ、1点差に迫られても、佐藤は冷静さを失わなかった。すぐに西田に積極的に声を掛けてフォローをすると、すぐに相手の陣形を見て、リズムを変えるプレーをしてみせた。
「後半から相手のサイドバックが下がっていたけど、1点獲ってからも下がったままだった。それであればシンプルにプレーするのではなく、僕らでつないで、ボールを落ち着かせられると思った」と、持ち前の観察眼を発揮し、すぐにポゼッションに切り替えた。
CBからボランチを経由し、ストロングポイントであるサイドと2トップを生かすサッカーで、相手に主導権を渡さなかった。空中戦においても、阪南大高は66分に186センチのDF村瀬悠介を前線に投入し、パワープレーを仕掛けてきたが、制空権を握り続けた。
「3年生を支えるのが僕らの仕事。1、2年生をしっかりまとめることで貢献したかった。最後まで相手の嫌なことができたと思う」
最後まで冷静に全体を把握し、リズムチェンジをし続け、かつ最終ラインを統率し続けた佐藤瑶大。この試合の勝利の陰の立役者は、この頼もしき2年生ディフェンスリーダーであることは間違いない。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
試合前日にコンビを組む1年生CB西田直也が体調を崩し、病院に運ばれるアクシデントがあった。なんとか開幕戦の出場を果たすことができたが、「あいつが万全じゃない分、僕がそれをカバーしないといけないと思っていた」と、責任感を持って試合に臨むことができた。
その言葉どおり、彼はクレバーなプレーと得意のヘッドで、阪南大高の前に立ちはだかった。立ち上がりこそ阪南大高FW徳網勇晟のキレのある動きに手を焼いたが、徐々に落ち着きを取り戻す。「空中戦では絶対に負けないことと、僕らでリズムメイクできることを心掛けた」と、ハイボールではしっかりと競り勝ち、マイボールになったらすぐに蹴らずに、相手の状況を見てポゼッションかフィードを判断する。リズムが単調にならないようにしたことで、阪南大高は思うような攻撃を組み立てることができなかった。
2-0のリードで迎えた後半、立ち上がりはリードを奪ったせいか、前半の積極性が影を潜めた。その変化を佐藤は見逃さなかった。「すぐに後半の入り方が悪いと思った。なので、ここで失点をしたらまずいと思い、シンプルにプレーしようと思った」と、ポゼッションを意識していた前半からはっきりとしたプレーを選択。リズムの立て直しを図った。
61分に西田がドリブル突破を仕掛けた阪南大高の途中出場のFW木戸口蒼大を倒し、PKを献上。これを決められ、1点差に迫られても、佐藤は冷静さを失わなかった。すぐに西田に積極的に声を掛けてフォローをすると、すぐに相手の陣形を見て、リズムを変えるプレーをしてみせた。
「後半から相手のサイドバックが下がっていたけど、1点獲ってからも下がったままだった。それであればシンプルにプレーするのではなく、僕らでつないで、ボールを落ち着かせられると思った」と、持ち前の観察眼を発揮し、すぐにポゼッションに切り替えた。
CBからボランチを経由し、ストロングポイントであるサイドと2トップを生かすサッカーで、相手に主導権を渡さなかった。空中戦においても、阪南大高は66分に186センチのDF村瀬悠介を前線に投入し、パワープレーを仕掛けてきたが、制空権を握り続けた。
「3年生を支えるのが僕らの仕事。1、2年生をしっかりまとめることで貢献したかった。最後まで相手の嫌なことができたと思う」
最後まで冷静に全体を把握し、リズムチェンジをし続け、かつ最終ラインを統率し続けた佐藤瑶大。この試合の勝利の陰の立役者は、この頼もしき2年生ディフェンスリーダーであることは間違いない。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)