【Jリーグ】セカンドチームのJ3参戦は疑問。育成問題の解決になるとは考えづらい

カテゴリ:Jリーグ

木崎伸也

2015年12月19日

ドイツではセカンドチームの存在意義が薄れつつある。

2011年当時、宇佐美はバイエルンⅡのメンバーとしてドイツ4部で6ゴールを決めたが、トップチームのハインケス監督からの信頼が回復することはなかった。 (C)Getty Images

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 来季からFC東京、G大阪、C大阪のセカンドチーム(23歳以下の選手がメイン)が、J3へ参入することが発表された。若手育成を目的とした取り組みだが、果たして狙いどおりの成果を挙げられるのか。同様の仕組みを採用する他国の実情を踏まえて、スポーツライターの木崎氏が是非を問う。

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 ドイツに住んでいた時、ブンデスリーガのセカンドチーム(23歳以下の選手がメイン)の試合を観に行ったことが二度ある。

 一度目は高原直泰がハンブルクに所属していた時のことだ。04-05シーズン、高原はクラウス・トップメラー監督の下でチャンスを掴めずにいた。開幕から2試合は途中出場したが、3節から5節までは出番なし。戦力外のような扱いを受けていた。

 だが、セカンドチームでのプレーが浮上のきっかけになる。代理人のトーマス・クロートの提案を受けて、試合経験を積むためにセカンドチームの一員として3部のゲームに出場。すると高原はビーレフェルトⅡ戦でゴールを決め、さらに続くドルトムントⅡ戦でもネットを揺らした。

 その活躍を受け、トップメラー監督は6節のヘルタ・ベルリン戦で高原を先発に抜擢。高原は期待に応えて2ゴールを挙げ、再びレギュラーの座を勝ち取った。セカンドチームがあったからこそ、当時の日本代表のエースは復活を遂げたのだ。

 しかし、こういう成功例ばかりではない。

 二度目の観戦は、2011年、宇佐美貴史がバイエルンにレンタル移籍していた時のことだ。宇佐美は2節で途中出場してデビューを果たしたものの、不用意なボールロストでユップ・ハインケス監督を激怒させてしまった。結局、リーグ戦では32節まで干されることになる。

 その間、当時19歳だった宇佐美は、バイエルンⅡが所属するドイツ4部が主戦場になった。2歳下のエムレ・ジャン(現・リバプール)らとともに、18試合に出場し、計6得点を挙げた。ただし、トップチームとセカンドチームの実力差は大きく、いくら4部で活躍しても、ハインケス監督からの信頼が回復することはなかった。宇佐美としてはやり切れない想いで参加していたに違いない。

 結論を言うと、プロの調整の場としては意味があるものの育成の場としてはあまり機能せず、ドイツではセカンドチームの存在意義が薄れつつある。

 昨年3月、レバークーゼンのスポーツディレクター、ルディ・フェラーはこう主張した。
「私たちはすでに長い間、セカンドチームの意義を議論してきた。多くのチームがその存在に疑問を持っている」

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