「ルーニーやロナウドの動きを見て」点を取るためのポジショニングを学ぶ。
左腕に巻かれたキャプテンマークと背番号10。1、2年生が多数派のチームを引っ張る責任感と自覚をピッチ上で見せつけた。
新潟明訓とのプレミアリーグ昇格決定戦。新潟明訓の質の高いサッカーに手を焼き、0-0の膠着した展開が続いたが、ストライカーとしての本能が、この均衡状態を打破した。
51分、左CKがクリアされるも、味方が素早く左サイドに展開。トップスピードで1年生MFの堀研太が抜け出すと、「多くの選手がボールウォッチャーになっていたので、ファーサイドでオフサイドにならないようにタイミングを見計らって飛び出した」と、状況を冷静に見極め、ファーサイドにできたスペースに猛ダッシュ。堀からのグラウンダーのクロスに右足をいっぱいに伸ばして、スライディングシュートを突き刺した。
「冷静にポジション取りができた。アタッキングエリアでのポジション取りは、去年はあまり意識をしていなかったけど、ルーニーやクリスチアーノ・ロナウドのプレーを見ていると、点を取る前の動きで、チャンスが生まれる場所を素早く感じ取ってポジション取りをしていた。そういう準備があってこそのゴールだということが分かって、自分もそこを磨こうと思ったんです」
ゴール前でより怖い選手になるべく、和田は工夫をするようになった。戦況を見抜く早さ、身体の向き、そしてスペースに誰よりも先に飛び込めるようにスプリントも徹底して鍛え上げた。結果、得点力は格段に向上し、日本クラブユース選手権、プリンスリーグ関東、そしてこの参入決定戦でも、その成長の跡を記すことができた。
そして、65分、和田はさらに圧巻のプレーを見せる。遠藤からの浮き球のパスを、胸トラップでコントロールすると、「間接視野でGKの位置がよく見えて、前に出ていたので、頭上を狙った」とそのままループシュート。ボールはGKの頭上を鮮やかに破って約15メートル先のゴールに吸い込まれた。
「2点目のゴールは、今まで挙げたゴールのなかでもベストゴールだと思う」
自画自賛したゴールを含め2ゴールと、エースにふさわしい結果を残し、チームに勝利をもたらした。
「後輩たちは来年、プレミアリーグで昇格1年目での初優勝を目指している。僕もトップチームで1年目から試合に出て、お互いに刺激し合いたい」
これまで切磋琢磨して来た頼もしき後輩たちと、来年以降もともに高め合う存在となって成長していくために――。チームに大きな置き土産を残して、和田はプロとしてのキャリアをスタートさせる。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
新潟明訓とのプレミアリーグ昇格決定戦。新潟明訓の質の高いサッカーに手を焼き、0-0の膠着した展開が続いたが、ストライカーとしての本能が、この均衡状態を打破した。
51分、左CKがクリアされるも、味方が素早く左サイドに展開。トップスピードで1年生MFの堀研太が抜け出すと、「多くの選手がボールウォッチャーになっていたので、ファーサイドでオフサイドにならないようにタイミングを見計らって飛び出した」と、状況を冷静に見極め、ファーサイドにできたスペースに猛ダッシュ。堀からのグラウンダーのクロスに右足をいっぱいに伸ばして、スライディングシュートを突き刺した。
「冷静にポジション取りができた。アタッキングエリアでのポジション取りは、去年はあまり意識をしていなかったけど、ルーニーやクリスチアーノ・ロナウドのプレーを見ていると、点を取る前の動きで、チャンスが生まれる場所を素早く感じ取ってポジション取りをしていた。そういう準備があってこそのゴールだということが分かって、自分もそこを磨こうと思ったんです」
ゴール前でより怖い選手になるべく、和田は工夫をするようになった。戦況を見抜く早さ、身体の向き、そしてスペースに誰よりも先に飛び込めるようにスプリントも徹底して鍛え上げた。結果、得点力は格段に向上し、日本クラブユース選手権、プリンスリーグ関東、そしてこの参入決定戦でも、その成長の跡を記すことができた。
そして、65分、和田はさらに圧巻のプレーを見せる。遠藤からの浮き球のパスを、胸トラップでコントロールすると、「間接視野でGKの位置がよく見えて、前に出ていたので、頭上を狙った」とそのままループシュート。ボールはGKの頭上を鮮やかに破って約15メートル先のゴールに吸い込まれた。
「2点目のゴールは、今まで挙げたゴールのなかでもベストゴールだと思う」
自画自賛したゴールを含め2ゴールと、エースにふさわしい結果を残し、チームに勝利をもたらした。
「後輩たちは来年、プレミアリーグで昇格1年目での初優勝を目指している。僕もトップチームで1年目から試合に出て、お互いに刺激し合いたい」
これまで切磋琢磨して来た頼もしき後輩たちと、来年以降もともに高め合う存在となって成長していくために――。チームに大きな置き土産を残して、和田はプロとしてのキャリアをスタートさせる。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)