名古屋戦は早々に失点し…
[J1第8節]川崎1-2名古屋/4月15日/等々力陸上競技場
雨が降りしきる等々力陸上競技場。
好調の名古屋を迎えたリーグ8節、川崎のホームでの今季初勝利はまたも遠かった。
開始9分には、先発に抜擢された2年目の高卒アタッカー、永長鷹虎のパスミスからカウンターを受けると、早々に先制点を奪われる。
ワンタッチでつなごうとチャレンジした若きアタッカーのプレーは責められるものではないだろう。彼にはこの経験を是非とも生かしてもらいたいものだが、その後のチームの振る舞いがこの試合の趨勢を決めたと言ってもいいように感じる。
鬼木達監督は試合後、「失点のところから弱気な部分が出てしまった。ゲームを難しくしたなと思います」と振り返る。
多くの主力が海外挑戦を経て迎えた今季、ホーム未勝利など、なかなか結果が出ないプレッシャーがチームにはあるのだろう。加えて新戦力や若い選手が増えただけに、クラブとして貫いてきた「止める・蹴る」をベースにした、テクニカルな魅せるサッカーを一定レベルで表現するための難しい挑戦も続く。
ポジショニングを意識してリズミカルにつなごうとすれば、ダイナミックさが減り、ダイナミックさを出そうとすれば、繊細なボール回しに狂いが生じる。ジレンマに直面しているように映るが、なおかつ結果も出ないとなると、疑心暗鬼になってしまうのだろう。
雨が降りしきる等々力陸上競技場。
好調の名古屋を迎えたリーグ8節、川崎のホームでの今季初勝利はまたも遠かった。
開始9分には、先発に抜擢された2年目の高卒アタッカー、永長鷹虎のパスミスからカウンターを受けると、早々に先制点を奪われる。
ワンタッチでつなごうとチャレンジした若きアタッカーのプレーは責められるものではないだろう。彼にはこの経験を是非とも生かしてもらいたいものだが、その後のチームの振る舞いがこの試合の趨勢を決めたと言ってもいいように感じる。
鬼木達監督は試合後、「失点のところから弱気な部分が出てしまった。ゲームを難しくしたなと思います」と振り返る。
多くの主力が海外挑戦を経て迎えた今季、ホーム未勝利など、なかなか結果が出ないプレッシャーがチームにはあるのだろう。加えて新戦力や若い選手が増えただけに、クラブとして貫いてきた「止める・蹴る」をベースにした、テクニカルな魅せるサッカーを一定レベルで表現するための難しい挑戦も続く。
ポジショニングを意識してリズミカルにつなごうとすれば、ダイナミックさが減り、ダイナミックさを出そうとすれば、繊細なボール回しに狂いが生じる。ジレンマに直面しているように映るが、なおかつ結果も出ないとなると、疑心暗鬼になってしまうのだろう。
早々に失点した名古屋戦は、相手のカウンターを怖がった影響もあって、特に前半はチグハグなまま時間だけが過ぎた印象だ。その代償として前半アディショナルタイムにはさらに1点を失っている。
後半は56分にFW宮代大聖が一矢報いたものの、終盤のパワープレーもどこか淡白に終わり、リーグ戦では今季4敗目(2勝2分4敗)を喫し、13位に沈んでいる。
弱気な部分が出た背景、そして改善点に関して、鬼木監督はこう分析する。
「ひとつは走ること。整う前に攻めるというのは、今日の相手であれば、間違いなくやらなくてはいけないですし、そういうところを少し逃してしまったなと。
トレーニングではすごく走って、背後を取って、良いシーンがあるんですが、やっぱりゲームになると、少し大事にいきすぎて、ボールを大事に捉えすぎてしまう部分がある。もっと際どいところもそうですし、単純に走った選手を使う。そこを逃している面もあります。
走る回数を増やさないと、相手は崩れないですし、止めてパスだけでなくて、ワンタッチで入っていく、ワンタッチで背後を突く、後半に入る前に選手に伝えましたが、そこの繰り返しかなと。
あとはメンタルのところ。強気で続けられるか。相手にカウンターがあっても、相手は何が嫌なのかを理解できれば、もっと怖い攻撃にできると思います。ミスも許容しながらやっていきたいです」
必死のディフェンスを続けた名古屋に対し、どこか淡々とプレーしていた印象が残ったのも、この指揮官が語った要因があったからか。誰もが、今の状況を変えようと、もがきながら必死にプレーしていることは理解している。だが、その想いとは裏腹にどこか弱気になり、後ろの向きのプレーが増える悪循環に陥っているのだろう。
川崎らしさを取り戻す、そのうえで新たな川崎のスタイルを作り出す作業は喫緊の課題である。ただ、その前に、勝点3を何がなんでも奪いにいく強気な姿勢、これをチーム全体で表わす作業が今は先決なのかもしれない。
キャプテンを担っていた谷口彰悟がカタールへ移籍し、小林悠ら怪我人が多い現状で、ピッチでチームを鼓舞する声も減ったように感じる。それは特定の選手の責任ではなく、声を出せば良いというものでもない。ただ、勝利への熱がやはりピッチから伝わりづらい現状もある。
魅せて勝つことを目指すのは大前提として、今はまずサッカーの基本となる目の前の相手に勝つ、気持ちで負けないという要素に改めて焦点を合わせる必要があるのかもしれない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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後半は56分にFW宮代大聖が一矢報いたものの、終盤のパワープレーもどこか淡白に終わり、リーグ戦では今季4敗目(2勝2分4敗)を喫し、13位に沈んでいる。
弱気な部分が出た背景、そして改善点に関して、鬼木監督はこう分析する。
「ひとつは走ること。整う前に攻めるというのは、今日の相手であれば、間違いなくやらなくてはいけないですし、そういうところを少し逃してしまったなと。
トレーニングではすごく走って、背後を取って、良いシーンがあるんですが、やっぱりゲームになると、少し大事にいきすぎて、ボールを大事に捉えすぎてしまう部分がある。もっと際どいところもそうですし、単純に走った選手を使う。そこを逃している面もあります。
走る回数を増やさないと、相手は崩れないですし、止めてパスだけでなくて、ワンタッチで入っていく、ワンタッチで背後を突く、後半に入る前に選手に伝えましたが、そこの繰り返しかなと。
あとはメンタルのところ。強気で続けられるか。相手にカウンターがあっても、相手は何が嫌なのかを理解できれば、もっと怖い攻撃にできると思います。ミスも許容しながらやっていきたいです」
必死のディフェンスを続けた名古屋に対し、どこか淡々とプレーしていた印象が残ったのも、この指揮官が語った要因があったからか。誰もが、今の状況を変えようと、もがきながら必死にプレーしていることは理解している。だが、その想いとは裏腹にどこか弱気になり、後ろの向きのプレーが増える悪循環に陥っているのだろう。
川崎らしさを取り戻す、そのうえで新たな川崎のスタイルを作り出す作業は喫緊の課題である。ただ、その前に、勝点3を何がなんでも奪いにいく強気な姿勢、これをチーム全体で表わす作業が今は先決なのかもしれない。
キャプテンを担っていた谷口彰悟がカタールへ移籍し、小林悠ら怪我人が多い現状で、ピッチでチームを鼓舞する声も減ったように感じる。それは特定の選手の責任ではなく、声を出せば良いというものでもない。ただ、勝利への熱がやはりピッチから伝わりづらい現状もある。
魅せて勝つことを目指すのは大前提として、今はまずサッカーの基本となる目の前の相手に勝つ、気持ちで負けないという要素に改めて焦点を合わせる必要があるのかもしれない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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