［J１第６節］鹿島１－２広島／４月１日／県立カシマサッカースタジアム

　先にリードを奪ったが、それを勝点に結びつけられなかった。

　ホームで広島を迎え撃った鹿島は、69分に知念慶のゴールで先制するが、86分のPKと88分のショートカウンターから失点。１－２で痛恨の逆転負けを喫した。
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　６節を終えて今季はいまだホームで未勝利。思うように結果が出ていないなかでも、少なくない収穫もあった。

　そのひとつが、佐野海舟と樋口雄太のダブルボランチだ。

　前節の横浜戦でディエゴ・ピトゥカがアディショナルタイムに退場し、今節は出場停止だったこともあり、これまでの４－３－３でアンカーの佐野とインサイドハーフの樋口＆ピトゥカの組み合わせから変更。４－２－３－１の布陣で佐野と樋口がダブルボランチを組んだ。

　プレシーズンでも試されていた樋口＆ピトゥカのダブルボランチは、ともに攻撃への意識が強く出過ぎるためか、フィルターの機能を上手く果たせていなかった。一方、佐野＆樋口は、双方が豊富な運動量を活かして守備に奔走し、片方が最終ラインまで下がってビルドアップを助ければ、もう片方は受け手となって攻撃の起点になるなど、攻守で効果的な働きができていた。
 

　間違いなく手応えはあった。試合後に樋口は「（佐野）海舟と組んで、すごくやりやすかった」とし、「中盤は攻撃も守備も両方大事。今日は上手くボールも動かせる場面もあり、セカンドボールもわりと拾えていた」と振り返る。

　敗戦については、「川崎戦と同じような展開で同じような負け方。今はちょっと言葉が見つからない」と悔しさを露わにする。ただ「（攻守で）相手が嫌がるシーンも作れていた」のは事実。「それを１試合を通してしっかりとできれば、違った側面が出てくると思う」と前を向く。

　樋口の語る“側面”には、たとえば左SBの安西幸輝が“らしさ”を発揮できたことも含まれるだろう。

　佐野＆樋口のコンビ、さらには昌子源と植田直通の両CBを加えたセンターラインに安定感があったため、安西は「この日は憂いなく行けた」と言う。

　結果が出ていないことは気がかりだが、この日のダブルボランチは今後、チームの軸となり得る可能性を示していたし、期待が持てるものだった。

取材・文●渡邊裕樹（サッカーダイジェスト編集部）

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