チャンスを掴む術を心得ている
ホームに名古屋グランパスを迎えた一戦で、柏レイソルの細谷真大は50分に絶好機を掴んだ。仙頭啓矢からのスルーパスに反応し、正確なトラップで一気に相手GKとの1対1に持ち込む。しかしループシュートは、あえなく名古屋のGKランゲラックにキャッチされた。
さらに65分には、マテウス・サヴィオからパスを受け、ペナルティエリア内までドリブルで侵入。相手DFに寄せられながらも、右足を振り抜いた。だがシュートは、ゴール左に外れてしまった。
「後半の決定機をひとつでも決めていれば、違う結果になっていたと思うので自分の責任」
試合後、細谷は猛省していた。0-3と完敗した一戦の失点は41分、52分、70分と、チャンスを逃したあとに相手にゴールを許した展開なだけに、確かに試合の流れを変えたシュートミスだった。ただし絶好機を逃したシーンには、見逃せない細谷の成長ポイントがある。
例えば50分のチャンスは、右サイドのスペースに走り込んだマテウス・サヴィオに相手DFが釣られ、細谷はフリーで相手GKとの1対1に持ち込めた。以前であれば今回のM・サヴィオのような囮の役割のほうが多かっただけに、自らが点を取るための動き出しにこだわっているのは、ひとつの成長ポイントだろう。
65分の決定機で言えば、これまでの似たシーンでは相手DFからのプレッシャーを感じれば、ボールキープを優先して空いたスペースに持ち運んでいただろう。しかしマッチアップした中谷進之介とのフィジカル勝負に挑み、強引にシュートを打った貪欲な姿勢はポジティブに映った。
さらに65分には、マテウス・サヴィオからパスを受け、ペナルティエリア内までドリブルで侵入。相手DFに寄せられながらも、右足を振り抜いた。だがシュートは、ゴール左に外れてしまった。
「後半の決定機をひとつでも決めていれば、違う結果になっていたと思うので自分の責任」
試合後、細谷は猛省していた。0-3と完敗した一戦の失点は41分、52分、70分と、チャンスを逃したあとに相手にゴールを許した展開なだけに、確かに試合の流れを変えたシュートミスだった。ただし絶好機を逃したシーンには、見逃せない細谷の成長ポイントがある。
例えば50分のチャンスは、右サイドのスペースに走り込んだマテウス・サヴィオに相手DFが釣られ、細谷はフリーで相手GKとの1対1に持ち込めた。以前であれば今回のM・サヴィオのような囮の役割のほうが多かっただけに、自らが点を取るための動き出しにこだわっているのは、ひとつの成長ポイントだろう。
65分の決定機で言えば、これまでの似たシーンでは相手DFからのプレッシャーを感じれば、ボールキープを優先して空いたスペースに持ち運んでいただろう。しかしマッチアップした中谷進之介とのフィジカル勝負に挑み、強引にシュートを打った貪欲な姿勢はポジティブに映った。
今季の細谷はストライカーとして“洗練”されてきた印象だ。得点のためのオフ・ザ・ボールの動きと、フィニッシュに無駄がなくなった。だからこそ開幕からの公式戦4試合で3得点、名古屋戦でも多くの決定機を掴めたのだろう。一方でネガティブな捉え方をすれば、チャンスが増えているためなおさら決定力が重要なのも確かだ。
名古屋を勝利に導く先制ゴールを決めたキャスパー・ユンカーは言っていた。
「あの状況では正直、ゴールとかキーパーの状況は見ていないです。あれは自分の直感に従ったシュートです。そこに導くうえで、自分の経験値は大きい。あの状況でシュートを打つのは、自分が今までやってきたことなので、その直感に従ってシュートを打っただけです」
29歳のユンカーに決定力で差を見せつけられた21歳の細谷には「経験値」が足りなかったのだろう。ただ、チャンスを掴む術を心得ている細谷は、その「経験値」を身につけられるプレーができている。
だからこそ筆者は、細谷の名古屋戦の決定機逸を飛躍への吉兆だと見ている。真価が問われるのは次節の広島戦。似たようなチャンスを得たら今度はネットを揺らすと信じている。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
名古屋を勝利に導く先制ゴールを決めたキャスパー・ユンカーは言っていた。
「あの状況では正直、ゴールとかキーパーの状況は見ていないです。あれは自分の直感に従ったシュートです。そこに導くうえで、自分の経験値は大きい。あの状況でシュートを打つのは、自分が今までやってきたことなので、その直感に従ってシュートを打っただけです」
29歳のユンカーに決定力で差を見せつけられた21歳の細谷には「経験値」が足りなかったのだろう。ただ、チャンスを掴む術を心得ている細谷は、その「経験値」を身につけられるプレーができている。
だからこそ筆者は、細谷の名古屋戦の決定機逸を飛躍への吉兆だと見ている。真価が問われるのは次節の広島戦。似たようなチャンスを得たら今度はネットを揺らすと信じている。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)