トッテナムの元監督ハリー・レドナップ氏が、ハリー・ケインの未来を憂いた。英メディア『talkSPORT』が独占で伝えている。

　下部組織出身で、11歳からトッテナムでプレーする29歳のイングランド代表FWは、先月にプレミアリーグ通算200ゴールを達成。このメモリアル弾はクラブ通算では267点目で、並んでいたジミー・グリーブス氏を抜き、単独でトッテナム歴代最多スコアラーとなった。

　そんな数々の記録を打ち立てながら、ケインはいまだチームタイトルとは無縁だ。それだけに、絶えず退団が取り沙汰され、2021年夏にはマンチェスター・シティ移籍が大々的に報じられるも、実現には至らなかった。

　一刻も早く“無冠の帝王”の汚名を雪ぎたいところだが、トッテナムは、首位のアーセナルとは勝点15差で４位。プレミアリーグ制覇は絶望的なうえ、リーグカップとFAカップはすでに敗退。実質的に可能性が残っているのは、最難関とも言えるチャンピオンズリーグのみだ。

　厳しい状況のなか、レドナップ氏は76歳の誕生日の３月２日に取材に応じると、２部のシェフィールド・ユナイテッドに０－１で敗れた前日のFAカップ５回戦に言及。「昨晩、ピッチを後にする彼の顔を見たが、とても沈んでいた」と、この一戦では途中出場だったエースについて語った。
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「彼は思ったに違いない、『なんてこった、ここで何が起こっている？』とね。彼をベンチに置き、先発で出さないなんて、ギャンブルだ。彼らは勝ちに行くべきだったし、ハリーを先発起用すべきだったんじゃないか？

　私は今年のカップ戦ではスパーズが優勝すると思っていたんだ。今年は彼らの年になるかもしれないとね。まだFAカップに残っているチームを見れば、絶好のチャンスだった。昨夜に実施された（準々決勝の）抽選会を見てみてくれ。トッテナムが最後まで勝ち進むと思っていたが、結果は散々だった」

　そのうえでレドナップ氏は、「彼は昨晩元気がなかった。多分、ここでトロフィーの獲得はできなさそうだと考えているのだろう」と主張。今回のFAカップ敗退が、来年６月までとなっている契約の延長にも少なからず、影響を与えたと推測している。

「移籍するとは思えない。彼の人生はそこで充実しているだろうし、この先も残るはずだ。だが、昨日のようにコンペティションから脱落し続けるのであれば、疑問を持つに違いない」

　イングランド代表のキャプテンは、近年では珍しくなっているワンクラブマンのままキャリアを終えるのか。それともタイトル獲得のため、愛するクラブに別れを告げるのか。トッテナムでタイトルを掴めれば、一気に問題解決なのだが……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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