現地時間２月26日に開催されるリーグカップ決勝で、ニューカッスルはマンチェスター・ユナイテッドと、聖地ウェンブリーで対戦する。難敵を下し、是が非でも54年ぶりに主要タイトル獲得したいところだが、大一番を前にGK陣に問題が生じている。

　正守護神のニック・ポープが、直前のリバプール戦（０－２、プレミアリーグ第24節）で退場となり、出場停止に。さらに第２GKのマルティン・ドゥブラフカは、今冬までレンタルで在籍していたユナイテッドでリーグカップに出場しており、決勝のピッチには立てず。丸２年公式戦出場のないロリス・カリウスがゴールを守ることとなりそうなのだ。

　カリウスと言えば、思い出されるのが、2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ決勝（１―３）だ。リバプールの一員として先発したドイツ人GKは、対戦相手のレアル・マドリーの得点に直結する２つのミスを犯し、戦犯として容赦ない批判を浴びた。

　そこからキャリアは暗転。ここ２シーズンは、出場はおろかベンチ入りさえできない日々が続いていた。“悲劇の守護神”は決勝の借りを決勝で返せるか――。世界中から注目が集まるなか、ニューカッスルのエース、カラム・ウィルソンがチームメイトを鼓舞。『BBC Radio 5 Live』で以下のようなエールを送った。
【動画】あまりに痛恨…カリウスがCL2017-18決勝で犯した２つのミス

「彼は人々に証明しなければならないことがたくさんある。あの試合で彼のキャリアは急降下してしまった。だから人々に成長を証明しなければならない。彼はスタジアムの誰よりも、自分の評価を覆すインスピレーションを持っているんだ。この試合には多くの思い入れがあるので、特別な日になると思う」

　また、エディ・ハウ監督も試合には出られずとも、懸命に努力を続けてきたカリウスに期待を寄せる。英紙『The Guardian』によれば、「キャリアを書き直す素晴らしいチャンスになるだろう」と語り、明言こそしなかったものの先発起用を示唆した。

「このような出来事が起こり、本当にポジティブな結果が得られたり、そうでなかったりということは、サッカー界ではこれまでにもたくさんあった。それが何であるかは予測できない。でも、あれ（ポープのレッドカード）が起こった瞬間、カリウスのキャリアに新たな物語、つまり書くべき別のページや章があるような気がした。

　その章がどんな風になるかは誰にも分からない。それがサッカーの素晴らしさだ。この予測不可能性が、見るものを驚かせるんだ」

　悪夢のCLファイナルから５年。29歳となったカリウスは、新たな物語を生み出し、忌まわしい失態を過去のものとできるか。キャリアを立て直す、千載一遇のチャンスだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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