現地時間11月14日、EURO2016予選プレーオフの第１戦が行なわれ、注目の「北欧決戦」は、ホームチームのスウェーデンがデンマークに２-１で先勝した。
 
　開始１分で早くもシュートを放ってCKを得るなど、積極的に攻めるホームチームだが、すぐに攻勢力と展開力で上回るデンマークの前に、守勢に立たされることとなった。
 
　デンマークはピッチを広く使ってパスを繋ぐ他、前線右サイドで躍動感溢れるプレーを見せるブライスワイトをはじめとして、各選手が効果的な動きを連動して見せ、序盤から何度もシュートを放った。
 
　これに対し、序盤のスウェーデンは単純にロングボールを前線に入れる場面が目立つ。ただ、その単調な攻撃も、ひとたびイブラヒモビッチがボールに触れると、相手に脅威を与えることに。30分には、彼が浮き球でスルーパスをベリに通し、最初の決定機を迎えた。
 
　デンマークのボールキープの時間が長いものの、前半の半ばになるとスウェーデンも速いパスワークを見せるようになり、39分にはカウンターからテンポ良くボールを繋ぎ、最後はイブラヒモビッチがわずかに枠を外れる惜しいシュートを放った。
 
　44分、デンマークはエリクセンの縦パスに、相手DFラインの裏に抜け出したベントナーが合わせたが、シュートは枠外。その直後、スウェーデンは右サイドを抜け出したルスティグがマイナスのクロスを入れ、これをニアに走り込んだフォルスベリがゴール左隅に突き刺し、待望の先制点を挙げた。
 
　前半終了間際に均衡を破ったスウェーデン。そして後半開始間もなくして、リードは広がった。50分、フォルスベリがカーレンベルグに倒されて得たPKを、イブラヒモビッチが豪快に決めたのだ。
 
　楽になったスウェーデンは、より各選手が効率の良い動きを見せるようになり、チャンス時にはSBや中盤から思い切って選手が上がり、前線の選手も前後左右に幅広く動くことで、相手DFがマークしづらい状況を生み出して、ゴールに近づいていった。
 
　一方のデンマークは、相手ペナルティエリア周辺までは組織力で比較的容易に侵入できるものの、そこから先のプレーが拙く、前線にボールを繋ぐことができずに決定的な場面をほとんど創れないまま、終盤を迎えることとなった。
 
　しかし80分、CKをY・ポウルセンが頭でコースを変え、これをヨルゲンセンが懸命に足を伸ばして押し込み１点差にすると、デンマークは前半序盤のような活気を取り戻す。そして彼らの攻勢のまま、残り時間は過ぎていった。
 
　結局、２-１でスウェーデンが逃げ切りに成功して本大会出場に向け一歩前進したが、デンマークにとってもアウェーゴールを挙げて１点差で終えられたのは、大きな収穫だったと言える。
 
　最初の１点が大きな意味を持つであろう運命の第２戦。11月17日の戦いの末に、どのような結末が待っているのかを予想するのは、非常に難しい。
 
【プレーオフのレギュレーション】
ホーム＆アウェーで勝者が本大会に出場。２試合の合計得点が同じ場合はアウェーゴールの多いチームが勝利。アウェーゴールも並んだ場合は、第２戦終了後に15分ハーフの延長戦へ。ゴールを奪い合ってのドローの場合はアウェーチームの勝利。スコアレスドローの場合はPK戦を実施する。