ディテールまで目が行き届く視野
2026年の北中米ワールドカップを目ざす“ニュー森保ジャパン”コーチングスタッフが確定。新たに名波浩氏と前田遼一氏が加わった。位置付けとしては、名波氏がジュビロ磐田の監督に就任した横内展昭氏、前田氏がFC岐阜の監督に就任した上野優作氏に代わる人事となる。反町康治技術委員長によると、森保一監督の意向を汲んだ編成とのことだ。
下田崇GKコーチ、主にディフェンスを担当する斉藤俊秀コーチは残るが、新任の2人については期待も不安もある。特に東京五輪世代の監督代行を担うなど、森保監督の参謀として攻守全般を現場指導した横内氏の役割は大きかった。
その穴は簡単には埋まらないかもしれないが、新しく次のW杯に向けたチームを作っていくスタッフとして、期待を込めて2人の新任コーチが何をもたらせるかを展望する。
名波氏は現役時代、日本代表の10番として98年のフランスW杯に出場し、当時セリエAだったヴェネツィアでもプレーするなど、選手としての豊富な経験が買われた部分もあるかもしれない。しかし、やはり古巣の磐田で6シーズン、松本山雅FCで2シーズン、監督を務めるなど、指導者としての経験も豊富にある。
2014年にJ2だった磐田の監督に途中就任すると、2年目でJ1昇格。17年には磐田を6位に導いた。J1で4シーズン目となった19年には成績不振で途中退任、磐田は最下位で降格している。松本には21年に途中就任、J2の下位に低迷していた松本を引き上げることができず、最下位でJ3に降格。1年でのJ2復帰を目ざした22年シーズンは4位に終わり、名波体制は1年半で終わりを告げた。
こうして振り返ると、監督として大きな成功を成し遂げたとは言い難い。しかしながら、2つのチームで数多くの選手を指導者目線で見て来ており、小林祐希(北海道コンサドーレ札幌)をはじめ、後に日本代表となる川辺駿(グラスホッパー)や大南拓磨(川崎フロンターレ)、伊藤洋輝(シュツットガルト)なども指導している。
そして記憶に新しいところでは、松本で横山歩夢をFWの主力に抜擢。シーズン11得点を記録した横山は今冬、J1のサガン鳥栖に移籍した。今年5月に行なわれるU-20W杯のエース候補としても期待される横山の成長は、名波氏の存在無くして語れない。
下田崇GKコーチ、主にディフェンスを担当する斉藤俊秀コーチは残るが、新任の2人については期待も不安もある。特に東京五輪世代の監督代行を担うなど、森保監督の参謀として攻守全般を現場指導した横内氏の役割は大きかった。
その穴は簡単には埋まらないかもしれないが、新しく次のW杯に向けたチームを作っていくスタッフとして、期待を込めて2人の新任コーチが何をもたらせるかを展望する。
名波氏は現役時代、日本代表の10番として98年のフランスW杯に出場し、当時セリエAだったヴェネツィアでもプレーするなど、選手としての豊富な経験が買われた部分もあるかもしれない。しかし、やはり古巣の磐田で6シーズン、松本山雅FCで2シーズン、監督を務めるなど、指導者としての経験も豊富にある。
2014年にJ2だった磐田の監督に途中就任すると、2年目でJ1昇格。17年には磐田を6位に導いた。J1で4シーズン目となった19年には成績不振で途中退任、磐田は最下位で降格している。松本には21年に途中就任、J2の下位に低迷していた松本を引き上げることができず、最下位でJ3に降格。1年でのJ2復帰を目ざした22年シーズンは4位に終わり、名波体制は1年半で終わりを告げた。
こうして振り返ると、監督として大きな成功を成し遂げたとは言い難い。しかしながら、2つのチームで数多くの選手を指導者目線で見て来ており、小林祐希(北海道コンサドーレ札幌)をはじめ、後に日本代表となる川辺駿(グラスホッパー)や大南拓磨(川崎フロンターレ)、伊藤洋輝(シュツットガルト)なども指導している。
そして記憶に新しいところでは、松本で横山歩夢をFWの主力に抜擢。シーズン11得点を記録した横山は今冬、J1のサガン鳥栖に移籍した。今年5月に行なわれるU-20W杯のエース候補としても期待される横山の成長は、名波氏の存在無くして語れない。
そうした個人を見る目に疑いの余地はなく、監督としても選手の状況判断など、ディテールまで目が行き届く視野というのはA代表の指導でも必ず活かされるだろう。
あくまで代表コーチであり、チーム全体を統率するのは森保監督であることを考えれば、前向きに考えることもできる。また欧州組が主軸になるA代表で、選手たちに時に厳しく接することもできるキャラクターであることは間違いない。
何より日本代表に対する想いというのは監督になってからも語っていたところで、そうした熱量も加えてくれるのではないか。
あくまで代表コーチであり、チーム全体を統率するのは森保監督であることを考えれば、前向きに考えることもできる。また欧州組が主軸になるA代表で、選手たちに時に厳しく接することもできるキャラクターであることは間違いない。
何より日本代表に対する想いというのは監督になってからも語っていたところで、そうした熱量も加えてくれるのではないか。