ワールドカップ（W杯）での活躍、世界王者の称号は、選手にとって飛躍する機会となる。だが、クラブはシーズン半ばでの移籍を認めない意向だ。結果、緊張が生まれている。

　ベンフィカのロジャー・シュミット監督が、アルゼンチン代表のエンソ・フェルナンデス獲得を巡るチェルシーの動きを批判した。英公共放送『BBC』などが報じている。

　カタールW杯でアルゼンチンの優勝に貢献し、最優秀若手選手に選ばれたE・フェルナンデスは、市場の人気銘柄となった。ベンフィカとの契約には１億2000万ユーロ（約168億円）の契約解除金が設定されている。

　シュミット監督は「エンソを欲しがるクラブがしていることは、ベンフィカや我々全員に対して敬意を欠いている。彼らがやっていることは受け入れられない」と話した。

「選手を狂わせ、契約解除金を支払えるふりをして、それから交渉を望む。選手に関して話し合うことを望むクラブの良好な関係として、私が理解していることとは違うと思う」
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　さらにドイツ人指揮官は、「我々は彼を売りたくない。このクラブの誰も売却を望んでいない。契約解除金が設定されていることは全員が知っている。もちろん、選手が移籍を望み、誰かがそれを支払うなら、我々は抗えないよ。選手を失うことになるかもしれない」と続けている。

「ウチの選手を望むクラブがあり、ウチが売却を望んでいないと知っている。彼らはその選手を加えようとした。そのためには契約解除金を支払うしかないと知っている。非常に明白な状況だ」

　21歳のMFはトレーニングを欠席したことも報じられている。シュミット監督は「非常に良い青年であり、ファンタスティックな選手だ。我々は彼が大好きだし、もちろんベンフィカに残ってほしい」と述べた。

「もちろん、彼にとっては簡単じゃない状況だ。ワールドカップを戦って世界王者となり、オファーがある。多額の金がかかっている。考えてくれ。若手にとってこの状況はやや混乱させるものだ。みんな理解できると思う。だがそれでも、彼はとても優れた青年だ。アルゼンチンに行く許可はなかった。練習を欠席した。それは受け入れられないことであり、だからその結果はあるだろう」

　W杯優勝戦士の去就を巡る騒動は解決するのか。進展が注目される。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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