【松本】総走行距離やスプリント回数では上回るも… 痛感させられた「J1水準」

カテゴリ:Jリーグ

大枝 令

2015年11月07日

即戦力補強で攻撃力は上がったものの「一瞬の隙」は埋めきれず。

神戸戦の黒星で松本のJ2降格が決まった。鹿島を相手に勝利を掴むなど健闘も見せたが、「一瞬の隙」から失点を重ね、勝点の伸び悩みにつながった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

画像を見る

 あがいてももがいても、「その瞬間」は遂に訪れてしまった。
 
 第2ステージ・16節。松本は神戸に1-2で逆転負けを喫し、残り1試合でJ1残留圏内の15位新潟との勝点差は前節から変わらず6のまま。クラブ創設50周年の節目に初挑戦した国内最高峰のリーグから陥落し、1年でJ2に戻ることが決まった。
 
 苦戦は予想されていたものの、やはり現実は厳しかった。J2時代からの豊富な運動量をベースとした堅守速攻を継続しつつ、細部にマイナーチェンジを施す形でシーズンに突入。しかしJ2では通用していた強固なディフェンスはわずかな隙を突かれる形で次々に破られ、クリーンシートで終えられたのは33試合のうち8試合だけ。
 
 ボール奪取後の攻撃もバリエーションは少なく、ロングボールのターゲットとなるオビナを封じられて機能しないケースが試合を重ねるごとに増えていった。
 
 第2ステージの折り返しに前後し、反町監督は「セットプレー、ミドルシュート、クロス」の3要素を大きな失点源だと分析し、陣形を従来の3-4-2-1からアンカーを置く3-1-4-2に組み替えて修正を図った。実際にアンカー岩間とインサイドハーフふたりの献身により、ミドルシュートによる失点は一時的に減少。並行して工藤、安藤、キム・ボギョンといった即戦力をシーズン途中に加えたことでサイドや中盤でも時間が作れるようになり、攻撃面でのレベルは上がった。
 
 それでも思うように勝点を積み重ねられなかったのは、やはり「一瞬の隙」を最後まで埋め切れなかったからだ。象徴的なのは第2ステージ中盤の2試合。10節の湘南戦と11節のG大阪戦で、ともに後半アディショナルタイムに失点して1-1のドローに終わった。湘南戦は右CKから、G大阪戦は左クロスからと、警戒していたはずの要素でゴールを割られた。
 
 こうして少しずつ追い詰められていくなかでも、なかなか修正は効かなかった。14節の新潟戦、15節の鳥栖戦ではセットプレーとミドルシュートで失点して連敗し、J2降格の崖っぷちに立たされてしまった。チームの総走行距離とスプリント回数はほとんどの試合で相手を上回ったものの、それを結果には結び付けられなかった。
【関連記事】
【J1採点&寸評】2ndステージ・16節|全カードの出場選手&監督を現地取材記者が評価
【松本】崖っぷちで戦い続けてきた田中隼磨は、苦渋に満ちたシーズンにどんな決着をつけるのか
【松本】今季を象徴するような逆転負け――奇跡を起こさない限り、残留は夢物語でしかない
【松本山雅FC】反町康治インタビュー “語録”で振り返るJ1昇格の軌跡
【J1マッチレポート】阿部の先制点も実らず。神戸に敗れた松本が、1年でJ2に降格

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ