神戸内定が決まった東福岡の快足MF浦十藏は、なぜ鳥栖ユースから高校サッカーへ移籍したのか。父からは「調子に乗らないように頑張れ」

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2022年10月29日

順風満帆のサッカー人生が突如暗転。鳥栖U-18で力不足を痛感

神戸は10月28日、東福岡MF浦の加入内定を発表。スピードを生かしたドリブル突破が魅力のサイドアタッカーだ。写真:松尾祐希

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 東福岡のMF浦十藏(3年)は大きな挫折を味わった。

 思うようなプレーができず、出場機会も掴めない。怪我も重なり、仲間の活躍を見守るしかできなかった。ピッチの外からボールを追うチームメイトを眺める日々――。焦りの色は濃くなり、グラウンドに戻ってきても本来の姿をなかなか取り戻せない。負のスパイラルに陥り、今まで築いてきた自信はあっけなく打ち砕かれた。

 しかし、夢を諦めるわけにはいかない。自らの意思で環境を変え、一から再スタートを切る道を選んだ。あれから1年半。サガン鳥栖のアカデミーで育った男は東福岡で力を付け、来季からヴィッセル神戸でプレーすることが決まった。家族のサポートがなければ、目標に辿り着けなかっただろう。

 10月28日、神戸は東福岡に所属する浦の来シーズンからの加入内定を発表した。鳥栖U-15で育ったサイドアタッカーの武器は、スピードを生かしたドリブル突破。50メートル6秒フラットの速さは高校年代屈指で、縦への突破からクロスを送り込むだけではなく、カットインからゴールを狙う術も併せ持つ。

 そのスピードを培ううえで原点になったのが、アームレスリングで全国2位になった経歴を持つ父・文寿さんとのトレーニングだった。

 小学生の頃から近所の海岸で砂浜ダッシュを敢行。「父親に勝つことを目標にしていた」(母・由美子さん)という浦は、持ち前の負けん気を発揮して食らい付いた。そうして鍛えられた瞬発力を目の当たりにした母・由美子さんは「陸上が向いていると思って勧めたこともある」そうだが、本人は「それじゃ面白くない。サッカーじゃないとダメなんだ」と言い切って譲らなかったという。
 
 二人三脚で磨いてきた“足”が評価され、中学1年生で鳥栖のアカデミーに加入。鳥栖U-15では、福井太智や楢原慶輝(ともに3年・鳥栖U-18所属)らと切磋琢磨し、中学3年次のU-15クラブユース選手権では日本一を経験。決勝戦ではスピードを生かした裏抜けから決勝点を奪うなど、チーム内での存在感は別格だった。しかし、順風満帆のサッカー人生が突如として暗転する。

 鳥栖U-18に加入した高校1年次は、怪我の影響で出遅れてしまった。コロナ禍の影響も重なり、思うようなトレーニングができずにいた。すると、その間に同級生たちがメキメキと頭角を現す。福井、楢原はもちろん、高校1年次からチームに加わったMF坂井駿也(3年)がレギュラーの座を掴み、2020年12月に行なわれたU-18クラブユース選手権でチームの優勝に大きく貢献したのだ。その姿をクラブの寮で見守ることしかできず、浦は自身の力不足を痛感させられた。

「あの時は寮でライブ配信を見ていた。もちろん仲間の応援はしていたけど、悔しい思いの方が強かった。かなり焦っていて…」(浦)

 その葛藤はしばらく続いた。母の由美子さんも悩む息子の想いを汲み取り、連絡が来た際は否定をせずにポジティブな声を掛け続けた。

「まずは怪我を治したらいいよ。人が遊んでいる間に練習をしたら大丈夫。誰かを追いかけるほうが絶対に成長するから」
 
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