感動的なセレブレーションから、一瞬にして現実世界に引き戻された。

　現地10月23日に開催されたラ・リーガ第11節で、ビジャレアルは昇格組のアルメリアと対戦。66分にアレックス・バエナのゴールで追いつくと、その後に退場者を出すも、90＋４分にニコラス・ジャクソンが値千金の決勝点を奪い、２－１で逆転勝利を収めた。

　この劇的な一戦でまさかの“事件”が起きたのは、同点弾が生まれた直後である。

　スコアラーのバエナはチームメイトと喜びを分かち合った後、ユニホームをまくり上げ、アンダーシャツにしたためたメッセージを披露。そこには「ありがとうリャネサ」と書かれており、長年に渡ってクラブを支え、先日亡くなった副会長ホセ・マヌエル・リャネサさんに向けられたものだった。

　ただ、主審はこれを非スポーツマン行為とみなし、イエローカードを提示。U-21スペイン代表でもプレーするMFは、この日すでに一度警告を受けており、退場になったのだ。ビジャレアルの選手たちはジェスチャーを交え、「脱いでない。まくっただけだ」と猛アピールするも、判定が変わることはなかった。
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　英紙『Daily Mail』によれば、ウナイ・エメリ監督は試合後のインタビューで、大人の対応を見せつつ、チクリと苦言も呈している。

「とても良いレフェリーだと思う。彼は常に非常に高いレベルにある。だが、レフェリーを務めるのは難しい状況もある。彼はルールに則り行動したが、もっと冷静に考えていれば、同じ判断はしなかったかもしれない」

　結果的に勝てたから良かったものの、もし敗れていればあまりに代償の大きなパフォーマンスとなった。一方でこの無慈悲なジャッジが、お世話になった大恩人へ、強い想いを持つ選手たちの尻に火をつけたとも考えられる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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