エグいほど美しい。FC東京の渡邊凌磨がC大阪戦で「小学生以来」のハットトリック

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2022年10月13日

渡邊が勝因として挙げたのも…

ホームのC大阪戦でハットトリックを決めた渡邊。写真:J .LEAGUE

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 2022年10月12日、FC東京がC大阪をホームに迎えた一戦は、4−0でFC東京が勝利という結果に終わった。C大阪にほぼ決定機を与えない、FC東京からしたら会心のゲームだった。「17対6」という両チームのシュート総数が物語るように、前線からの守備がかっちりとハマったFC東京はほとんどC大阪に試合の主導権を渡さなかった。インサイドハーフを担った松木は勝因を次のように話している。
 
「セレッソのアンカーを潰さないと、そこから展開されてしまうのは分析で分かっていたので、やられないよう潰しに行きました。すごくタフな試合でしたけど、1点入るまでも、入ってからも皆が流動的に動いていて、自分が前でプレスをかけている時も(アンカーの東)慶悟さんが上手くカバーしてくれることでチーム全体も引き締まった印象です」
 
 松木の言うとおり、この日の東は出色の出来でチームの中心軸として攻守両面で機能していた。的確なポジショニングで危険なスペースを埋め、セカンドボールを拾えば素早く味方に預け、ボールを奪われれば即座に反応してチェイシングする。前線と最終ラインをつなぐ、まさに潤滑油の働きでC大阪を圧倒する原動力となった。
 
 それでもこの日の主役は、本人曰く「小学生以来」のハットトリックを決めた渡邊だ。パーフェクトなトラップから左足で蹴り込んだ1点目、中村のクロスに右足で合わせた2点目、そしてニアサイドでヘッドを突き刺した3点目、そのすべてが満点のシュートで、エグいほど美しかった。何より、1点目のファーストタッチはこれぞプロの業で、観衆を魅了する技術だった。
 
 「今日は点を決めることができそうな気がしていた」渡邊は、ハットトリックの偉業を次のように振り返った。
 
「1点目はまず、(ゴール前にいた)塚川選手とポジションが被ったんですけど、上手く声がけできて自分が落下地点に入れました。なので、最初は直接シュートを打とうとも思いましたが、目の前に塚川選手の身体があったので、ファーストタッチで上手く良いところに置けたので、そこから力まずファーサイドに蹴り込めました。2点目は(中村)帆高が(クロスを)上げる時には準備していたので良い形で決めることができました。3点目も(クロスが)来ると思ったので、オフサイドに気をつけてタイミングよくヘディングできました」
 
 その渡邊が勝因として挙げたのも「前からの守備」。圧力のあるディフェンスでC大阪にプレッシャーをかけ、比較的高い位置でボールを奪うケースが多かったからこそ、攻撃に人数をかけられたわけで、サイドから崩す際もクロスに対応できる選手がエリア内に複数いた。チームとして連動する中で、渡邊が強烈な個でアピール。組織と個の融合体を見せつけたという意味で、C大阪戦のFC東京はパーフェクトだった。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
 
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