モハメド・サラーというワールドクラスのストライカーを封じた功績は大きい。冨安健洋にとって、リバプール戦は今シーズンのターニングポイントとなるだろうか。

　冨安は10月９日のプレミアリーグ第10節で、今季リーグ戦初先発を果たした。それも、本職ではない左SBでの起用だ。だが、ふたを開けてみればサラーに完勝。エジプト代表FWを65分で交代に追いやった。

　リバプールを相手に３-２で勝利したアーセナルのミケル・アルテタ監督は、この冨安起用の選択を高く評価されている。もちろん、選手本人への賛辞は言うまでもない。

『THE BOOT ROOM』によると、アーセナルOBで1980年代から90年代にかけて活躍したケビン・キャンベルは、『The Highbury Squad』で「後半の我々（アーセナル）は本当に上回っていたと思う。正しいインテンシティだった。スペーシングも正しかったね」と話している。

「トミヤスは素晴らしかったと思う。彼は正しかった。とても良いパフォーマンスだったよ。サラーは諦めた。降参したんだ。（プレミアリーグ）初先発で見事だった」
 

　昨シーズン後半戦をケガで棒に振った冨安は、今季もプレミアリーグ開幕に間に合わず、ベンチからの途中出場が続いていた。リバプール戦まで、スタメンに名を連ねたのは、ヨーロッパリーグの２試合だけだったのだ。

　だが、本職のキーラン・ティアニーを抑えて左SBで出場し、サラーを封じたリバプール戦のパフォーマンスは、改めてその存在感を思い起こさせた。両足を巧みに使いこなし、最終ラインのすべてのポジションをこなせるユーティリティ性は、指揮官も高く評価している。

　リバプール戦を弾みに、日本代表DFがさらに出場機会を増やし、調子を上げていくことが期待される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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