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【アナリスト戦術記】森保Jがシステムを変えた狙いとは? W杯本番を見据えて確認できたこと、調整が必要なこと

カテゴリ:連載・コラム

杉崎健

2022年10月06日

ドイツやスペインに対抗するための準備か

アメリカ戦は2-0の完勝。鎌田(15番)の先制点は狙い通りの形から生まれた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 サッカーの奥深き世界を堪能するうえで、「戦術」は重要なカギとなりえる。確かな分析眼を持つプロアナリスト・杉崎健氏の戦術記。今回は、カタール・ワールドカップに臨む日本代表のメンバー発表前、最後の代表活動となった9月シリーズの2試合をディープに掘り下げる。

――◆――◆――

 日本代表は9月のアメリカ戦(2-0)とエクアドル戦(0-0)を終え、残すは11月1日のメンバー発表と、17日のカナダ戦の最終調整のみ。23日にワールドカップの初戦・ドイツ戦を迎える。

 今回は上記の2戦を、戦術面を中心に振り返る。

 アメリカ戦とエクアドル戦でメンバーを総入れ替えした狙いの真意は現場しか分からないが、できる限り均等にチャンスを与えて1-4-2-3-1でのパフォーマンスを再確認したかったのではないか。これに漏れてしまった選手もいたが、後述する戦術的に試したかったものとの関係で外れてしまったのかもしれない。

 まずこのシステムに変えた狙いは何だったのか。一個人の見解だが、ワールドカップ本大会のグループステージ(GS)で対戦するドイツやスペインに対抗するための準備のように思う。アジア予選とは異なり、大国と戦うとなれば、過去のワールドカップやヨーロッパ遠征時の試合、さらには自国で行なわれたブラジル戦のように、守勢に回る可能性が極めて高い。同じくGSで対戦するコスタリカ戦では、自分たちがボールを持てる機会が増えると想定されるので、また違った準備をしているだろう。

 ドイツやスペインの攻撃は、非常に多彩で、サイド攻撃のみならず中央に人数をかけてパスワークで攻め込んでくる。アンカーを採用した1-4-3-3では、どうしてもその脇を狙われる構造となるが、この両者はともにそれがより脅威だ。3センターハーフが戻れば厚みは増すものの、そうすると今度は相手のボランチを抑えられなくなる構造ともなり、好き放題にボールを回される可能性もある。だからこそダブルボランチを採用したいと考えたのかもしれない。
 
 アメリカは1-4-3-3で、システムだけ見ればスペインと同じ。ちなみに、コスタリカも直近のウズベキスタンとの親善試合でこのシステムを試していた。

 アメリカの3センターハーフに対し、日本の前線2枚が中央にいるアダムズへのコースを切りながら、ダブルボランチは相手の2人のセンターハーフを監視し、伊東純也と久保建英の両サイドハーフが絞りながら縦パスを狙う。

 これが見事に成功したのは12分のシーンであり、25分の得点シーンは若干異なるものの、似たような形から守田英正がプレッシャーをかけて相手のマッケニーにミスパスを誘発させ、ショートカウンターから鎌田大地が決めた。

 ドイツのビルドアップは相手のシステムによって形が変わる。おそらく日本が1-4-2-3-1から1-4-4-2のように守ろうとすれば、1-3-2-5を採用する可能性が高い。そのシミュレーションもアメリカ戦でできた。
 
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