９月27日、ドイツ・デュッセルドルフで合宿を行なっている日本代表はエクアドルとの強化試合に臨む。

　森保一監督は、同23日に２-０で快勝したアメリカ戦から先発全員を入れ替えることを明言。多くの選手にチャンスが巡ってきそうだ。

　そのなかでCBとしてスタメン出場が予想されるのが谷口彰悟である。チームとしての積み上げと個々のアピール。非常にバランスが難しいなかで、もっとも数々の修羅場を戦い抜けてきた男である。試合前日の様子は実に落ち着いていた。

「メンバーを変えるところで、チャンスが巡ってくる選手がいると思いますし、チャンスをみんなで生かしたい。個々の存在感を出すのが必要な試合になってくると思うので、そこは個々で求めつつ、ワールドカップを見据えて大事な１試合でもあるので、チームとしてやるべきこと、積み上げを意識しなくてもいけないゲームでもあります。そこは両方求めたいですね」

　そして川崎のキャプテンはリーダーを担う覚悟も抱く。　

「相手ありきのところもありますが、どう守るか、奪いにいくか、コミュニケーションを取りながらやれていますし、そこを仕切ってやることが僕の大きな仕事のひとつだと思います。だからこそ、声かけを含めて引っ張っていきたい。自分の良さを考えたら、ビルドアップやそういうところはやれるんじゃないかなという自信もあります」
 

　これまで語ってきたのは31歳で迎えるワールドカップは、最初で最後の出場のチャンスになるかもしれないという想い。それでも我を通すのではなく、チームのために行動することが引いては自分のためになるということだ。

「『試合に出られないんだったらもういいや』と投げてしまったら、そこで終わり。結局、常に準備を怠らず、チームのために戦える選手がチャンスをつかみ取るんです。やっぱり準備がすべて、そこですよね」

　川崎一筋で、海外でのプレー経験はない。しかし、川崎でCBとして一つひとつのプレーを実に細かいところまで追求し続けてきた。その道が今に必ず生きるはずだ。

「サバイバル、本大会のメンバーを懸けた重要な一戦ですし、チームとしても積み上げていかないといけない。そして難しいですがワールドカップを見据えることも大事。でもやらなくちゃいけないことは整理できている。それ以上でもそれ以下でもないと言いますか、今はフラットな気持ちです。

　だから比較的落ち着いてゲームを迎えられそうです。それは自分が今までやってきたことへの自信がもちろんありますし、強い国と戦えるワクワク感、緊張感もありますし、すごく良い状態かなと。試合を楽しみたいです」

　妥協を許さない谷口彰悟というプレーヤーの想いが成就する瞬間を今は期待したい。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）

【PHOTO】明日のエクアドル戦に向け、試合会場でトレーニングを行った日本代表！