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現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「覚醒した“ベストパートナー”マッリとの良き関係性」

カテゴリ:ワールド

ラインハルト・レーベルク

2015年09月23日

「緩慢さがなくなれば最高点に達する」とかつての恩師は予言。

一時的といわれた武藤のCF起用は、マインツがドイツ中に誇れる名物コンビを生み出した。 (C) Getty Images

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 カラフルにコーティングされた豆型のチョコレート『M&M』は、ドイツの子どもたちにも人気があるが、ホッフェンハイムに3−1で勝利して以来、マインツでは別の「M&M」が話題になっている。
 
 新しい夢のコンビ、ユヌス・マッリと武藤嘉紀のことである。
 
 背番号10のマッリはゴールの予感を漂わせるゲームメーカーであり、中盤の深いところから速いドリブルでスペースを作ってラストパスを出し、自らもフィニッシュのチャンスをうかがっている。
 
 一方、武藤は運動量の多いCFであり、そのスピードと軽快さで、休むことなく相手の守備陣を手こずらせる。
 
 ともに23歳のふたりは、そのテクニックとランニングコースで、ほぼ完璧にフィットし合っている。
 
 さて、ホッフェンハイム戦でハットトリックを達成し、開幕5試合で5ゴールを挙げているマッリ――彼より多く得点しているのはバイエルンのトーマス・ミュラーとドルトムントのピエール=エメリク・オーバメヤンだけだ(いずれも6点)――とは、いったいどんな選手なのだろうか?
 
 トルコ人の両親を持つマッリは、ドイツのU-21代表選手で、ヘッセン州のカッセルという街で育った。ユース時代にボルシアMGにその才能を発見され、17歳の時にはU-23のチーム(地域リーグ)でプレーしていた。
 
 このチームを指導していたのはスベン・デーマントという、1990年代のマインツ(当時2部リーグ)の伝説的なFWだった。2011年、当時マインツのトップチームを指揮していたトーマス・トゥヘル(現ドルトムント監督)が19歳のマッリを獲得するが、デーマントはこう予言している。
 
「マッリは、サッカー選手として最高点に達することができるだろう。緩慢ささえなくなれば……」
 
 マインツ加入後、最初の真剣勝負となったテストマッチでその能力の高さを示したマッリは、ブンデスリーガ第2節で途中出場を果たした。このデビューシーズンには13試合に出場し、チームはヨーロッパリーグ出場権を得た。
 
 2012-13シーズンは14試合出場・1得点、2013-14シーズンには21試合・5得点。そして昨シーズン、マッリはようやくレギュラーとなり、31試合で6得点を決めた。現在では、押しも押されもせぬチームの主力のひとりである。
 
 今夏、ドイツ国内外のクラブから複数のマッリ獲得オファーが届いた。マインツのマネジャーであるクリスティアン・ハイデルは、マッリを慰留し、契約延長へこぎ着けるのに相当な努力を要したという。
 
 この交渉に立ち会ったのは、マネジャーを務めるマッリの父親の兄弟だったが、これにより彼らは、大幅な昇給を勝ち取ったのである。
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