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なぜ横浜は“いつも通り”を貫けるのか。喜田拓也が語る「アタッキング・フットボール」の神髄

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2022年07月27日

「完成系に近いんじゃないかな」(土居/鹿島)

敵地での前回対戦は3-0で勝利。今回は首位横浜がホームに2位鹿島を迎え撃つ頂上決戦となるが、喜田は“いつも通り”を貫く構えだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 横浜F・マリノスは7月30日、J1第23節で鹿島アントラーズと対戦。勝点45で首位に立つトリコロールが、勝点5差の2位チームをホームで迎え撃つ。

 今季のタイトルレースを占う大一番。ただ、喜田拓也は「相手がどこであっても、まず自分たちがどうあるべきか、どうしなければいけないのか。それはF・マリノスがすごく大事にしてきたところ」と“いつも通り”を貫く構えだ。

「注目される要素はあると思うんですけど、ある意味、みんな自然体というか、目の前の試合にすべてをかけて、今までみんなで準備して、そして戦うというのを繰り返してきた。それをやり抜く覚悟は今も変わらないです」

 相手がどこでも関係ない。どの試合でも自分たちにベクトルを向けて、戦いに臨む。それができるのは、横浜に揺るぎないベースがあるからだろう。

 2018年に就任したアンジェ・ポステコグルー監督(現・セルティック監督)が掲げた“アタッキング・フットボール”。改革初年度は思うような結果が出なかった。だが、苦しかった時期を乗り越えたからこそ、今の横浜がある。

 当時を知り、今もチームを力強く支える喜田に、これまでの歩みを語ってもらった。

――◆――◆――
 
 ボス(ポステコグルー)は本当に強い想いを持って、このクラブを変えるという想いを持って来てくれたのがすごく大きくて。ボス自身のブレない哲学もそうですし、何よりも、このクラブを変えたいという強い想いが周りに伝染していって、広がっていって、今があるのは間違いないと思う。

 18年、結果としては残留争いをして、このクラブが望む位置(最終順位は12位)ではまったくなかった。ただ、その中身を見たら、全然、その印象とは違ったと思うし、僕らも取り組んでいること、やっているサッカーに対しての手応えはあった。

 結果を出し切れない、もどかしい時期、悔しい時期を過ごしながらだったけど、あの時点で、クラブも寄り添って我慢してくれたのは、ひとつ大きなことだったと思う。我慢して、一緒に進んでいくっていう意思を示してくれたし、ボス自身も何も変わらず、クラブと選手に、厳しくも愛を持って接してくれたのは非常に大きかった。

 それだけじゃなくて、18年、ファン・サポーターの方々の振る舞いもすごく印象的で。たぶん、サッカーの中身とか、自分たちが取り組んでいるものに対しての共感があったのかもしれないなと思った。結果は出なかったけど、ブーイングが全然なかった。

 ブーイングをしてほしくないとか、そういうことではなくて、後押しする姿や、一緒に進んでいくという姿勢は、選手・クラブは絶対に感じるものがあった。その姿勢、耐える力があったからこそ、今のクラブカラーだとか、チームの強みに直結している部分があると思う。

 本当に、あの1年もそうだし、それからも貫き通すのは、簡単なことではない。それはもう、クラブに関わる全員が覚悟を持って、貫き通すぞというところを持ち続けられたのは、かけがえのないものだと思う。

――◆――◆――

 今季の鹿島との前回対戦は、3-0で勝利。鹿島の土居聖真はこの敗戦を受け、次のように横浜の印象を語る。

「ここ数年で、攻撃的サッカーが確立されてきていると思います。順位を落とした年もありましたけど、チームとして辛抱強く続けていった結果が、ここ数年の実績につながっているはずで、前回対戦は完成系に近いんじゃないかなと思わされました」

 喜田も自分たちのスタイルに確かな自信と手応えを認めつつ、「まだ道の途中」とさらに上を目ざしている。今回の難敵アントラーズとの頂上決戦でも、マリノスらしい戦いを見せることができるか。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

[試合情報]
明治安田J1リーグ第23節
リミックスでんきDAY
横浜F・マリノス vs.鹿島アントラーズ
2022年7月30日(土)19 時キックオフ/日産スタジアム
DAZN独占配信

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