［インターハイ２回戦］九州国際大付０－４湘南工科大附／７月25日（月）／鳴門・大塚スポーツパーク第二陸上競技

　34大会ぶりのインターハイ出場となる湘南工科大附（神奈川）が、初戦で九州国際大付（福岡）と対戦し、大量４得点の完勝を飾った。

　この試合で圧巻のハットトリックを記録し、勝利の立役者となったのが大木啓汰（３年）だ。

　前半はお互いにインテンシティの高いプレーを見せ、均衡した展開に。湘南工科大附は持ち味のパスワークでアタッキングサードに進入するも、相手の粘り強い守備に遭い、なかなかシュートまで持ち込めないもどかしい時間が続いた。

　しかし後半開始１分、味方のスルーパスに反応した大木がDFの背後に抜け出し、冷静にGKとの１対１を制して先制ゴールを挙げる。これをきっかけに勢いに乗り、主導権を握ると、後半32分にふたたび大木が追加点。さらにその１分後には、華麗なループシュートでネットを揺らし、３点目を挙げた。

　湘南工科大附はこれだけでは止まらず、後半35＋１分に橋山翔太（３年）がチームの４点目を決め、久しぶりの全国の舞台で鮮烈な勝利を飾った。
 

　大活躍の大木について室井雅志監督は、「みんなに勇気を与えたと思う。想定外です」と称賛。続けて、普段のサッカーに対する向き合い方をエピソードを交えつつ称えた。

「彼はうちの学校のなかでも一番学力の高いコースで勉強しながらサッカーをやっていました。だけど今年の３年生に上がるタイミングで、もっとサッカーを頑張りたいということで、一個下のコースに自ら落としたんですよ。

　担任の先生も「なんで？」って言っていたんですけど、彼はずっとひたむきに努力ができる子。最初のほうはリーグ戦に出たり、出なかったりだったけど、徐々に判断やポジショニングがうまくなってきて、今まで倒されたところを持ちこたえられたり、ラストパスが通せるようになってきた。そうなれたのは、彼の人間性と努力につきるかなと思っています」

　努力が実を結び、全国の舞台で大仕事をやってのけた大木は試合後、「（ハットトリックは）人生初ではないですけど、高校ではないと思います。夢みたいな感じですね」と笑顔を見せた。７月26日に行なわれる３回戦の相手は、大阪の強豪・履正社。「３点は厳しいかもしれないですけど、１点は絶対取りたい」と２試合連続ゴールを誓った。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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