まさに「らしさ」全開だったのが、パリ・サンジェルマンに所属するフランス代表DFのプレスネル・キンペンベだ。
 
　ジャパンツアーで来日中のパリ・サンジェルマンは７月24日、パナソニックスタジアム吹田で公開トレーニングを実施。日本でのラストマッチとなる25日のガンバ大阪戦に向けて最終調整した。
 
　練習ながらチケットが販売され（高校生以下が2000円、大人が4500円）、１万7916人の観衆が集結。来日から過密日程が続く選手たちはさすがにややお疲れ気味で、練習時間が予定の120分から約65分に短縮されたほどだったが、そんな中でもキンペンベだけは元気いっぱいだった。
 
　最初のランニングでは、１人だけ列から離れて観客席手前まで駆け寄って、ニコニコしながら手を振ってファンの声援に応える。トレーニング中も人一倍に大きな声を出していた。
 
　さらに熱かったのが、トレーニング終了直後だ。選手たちが次々に引き上げていく中、ゴール裏のファンに向かって雄叫びを上げ、ボディランゲージを交えながら「イエーイ！」「イエーイ！」と鼓舞したのだ。
 

　現在26歳のキンペンベは、生粋の「陽キャ」として有名。これまで何度もそれを証明する動画や発言が注目されてきたが、日本でも「とにかく明るいキンペンベ」は健在だった。
 
　現在のパリSGは、リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペ、セルヒオ・ラモス、ジャンルイジ・ドンナルンマなどを擁するサッカー史上でも屈指のスター軍団。強烈なエゴとエゴがぶつかり合うことも少なくないはずだけに、キンペンベのような明るいムードムーカーはかなり希少価値があるだろう。
 
　実はキンペンベは、熱烈なパリSG・サポーターには人気がかなり高い。主力では唯一のアカデミー出身者で副キャプテンも務め、今夏はチェルシーなどの誘いを拒否したと報じられるなどクラブ愛が極めて強く、この日のようにファン・サービスにも積極的だからだ。
 
　さらに付け加えると、プレーヤーとしての実力も折り紙付き。スピードとパワーを兼備して対人に強く、左足から正確なパスを放つCBで、フランス代表でもレギュラーを争うほどだ。
 
　ジャパンツアー最後となる25日のガンバ大阪戦では、メッシやネイマール、エムバペはもちろん、是非ともこのキンペンベにも注目していただきたい。
 
取材・文●白鳥大知（ワールドサッカーダイジェスト編集部）

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