日本女子代表は７月19日、E-１選手権で韓国女子代表とカシマスタジアムで対戦し、２－１で勝利を収めた。キャプテンの清水梨紗が、白熱の日韓戦を振り返った。

　平日の16時キックオフということもあり、観客はまばらだったものの、声出し応援が認められた一角からは、太鼓のリズムに合わせて熱いコールが送られるなか、日本は33分に試合を動かす。クリアミスをペナルティエリア右深くで拾った成宮唯がマイナス気味のクロス。これにフリーで反応した宮澤ひなたが右足で難なく押し込んだ。

　その後は押し込まれる時間が続き、59分にチ・ソヨンに同点弾を許すが、65分にすぐさま勝ち越し点を挙げる。右サイドを植木理子が個の力で突破し、中央へグラウンダーで折り返すと、走り込んだ長野風花が右足で合わせた。そのまま逃げ切ったなでしこジャパンが、池田太監督の就任後、初の国際タイトル獲得へ、大事な初戦をモノにした。

　右SBで先発した清水梨紗は、身体を張った守備のほか、隙を見ては高い位置を取り、攻撃に参加。前半の先制点の場面も右サイドで起点となった。試合後の会見では、今年１月に行なわれたアジアカップのグループステージでの対戦時は、１－１のドローに終わっていた相手から掴んだ勝利に、一定の手応えを示している。
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「決してパーフェクトな試合ではなくて、課題がたくさん残る試合ではありました。だけど、一番に結果として韓国に勝てたというのは、アジアカップで引き分けていたので、そこの部分はプラスに捉えていいと思います」

　勝因はずばり、失点からわずか６分で奪ったゴールだと説明している。

「やっぱり１失点してしまった後にすぐ取り返せたことが、自分はすごくチームとして力強かったなと思っています。自分自身もその失点に絡んでいますし、もっともっと突き詰めるところはたくさんありますけど、そのなかで自分の体感的には５分くらいで決めてくれたので。もう１回落ち着きを取り戻せたのが、今回の勝因だったかなと思います」

　先発メンバーではずば抜けて多い51キャップを数える26歳は、キャプテンマークを務めることになった経緯も具体的に明かした。

「試合の前々日くらいに太さんから『キャプテンをやってほしい』と言われて。自分は（日テレ・東京ヴェルディ）ベレーザでもキャプテンをやっていますし、みんなキャプテンシーというものはありますけど、代表して巻こうと思ったので『よろしくお願いします』と伝えました」

　なでしこジャパンは今後、23日にチャイニーズ・タイペイ女子代表、26日に中国女子代表（いずれもカシマスタジアム）と対戦する。中２日で厳しい戦いは続くが、頼もしいキャプテンの下、一気に東アジアの頂点まで駆け上がれるか。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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