この夏、パリ・サンジェルマンはプレシーズンツアーで来日する。リオネル・メッシやキリアン・エムバペ、ネイマールといったビッグスターたちを擁するフランスの強豪が、アジア市場の開拓を狙っていることは想像に難くない。
 
　同じように、モナコも南野拓実の獲得を日本市場でのファン獲得につなげたいと考えているはずだ。地元メディア『Monaco Tribune』は７月13日、「ミナミノはクラブとリーグ・アンにとってマーケティングの面での天恵」と題した記事で、南野の移籍がフランスリーグとモナコの商機になると報じた。
 
　同メディアは「一部ビッグクラブが市場開拓を試みているが、リーグ・アンの露出はまだ少ない。アジアではなおさらだ。だが、ミナミノの移籍でこれが変わりつつあるかもしれない」と報道。スポーツ経済学者の見解として、南野の移籍が「リーグの国際化、魅力、国外での知名度に貢献する」とした。
 
　さらに、Monaco Tribuneは「全員の利益になる移籍」とのフットボールエコノミストの分析を伝えた。
 
「世界中で商品を売るには、ローカライズした戦略が必要となる。シティグループがしているのはまさにそれだ。アジアのような新興市場を手に入れるには、日本人や中国人選手を加えることが必要となる」
 
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　試合が日本やアジアのファンが見やすい時間帯に開催されるようになるかもしれない。同メディアは「日曜午後１時の枠なら、モナコは知名度を高められるかもしれない」とし、専門家が次のように話したと報じている。
 
「この日程の問題は、早くからスタジアムに行くのを好まないファンだ。だがモナコの場合、スタジアムはいつも満員というわけではなく、より制限されないだろう」
 
　ただもちろん、南野の活躍が必須になることは言うまでもない。Monaco Tribuneも「モナコがミナミノ効果を生かしたければ、日本代表選手が試合に出ることが必要となる。だが何よりも、彼が良いパフォーマンスを見せなければいけない」と報じた。
 
「リバプールへのステップは大きすぎたのかもしれないが、モナコというプロジェクトでミナミノは自分をフルに発揮できるかもしれない。そうなれば、スポーツ的にも、マーケティング的にも、モナコは賭けに成功したことになる」
 
　もちろん、モナコで活躍すれば、それは南野にとっても「賭けに成功したことになる」だろう。選手、クラブ、リーグのいずれにも恵みとなる移籍になるか。日本代表アタッカーの今後に注目だ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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