昨シーズンいっぱいでブレントフォードを退団し、フリーとなっていたクリスティアン・エリクセンが、マンチェスター・ユナイテッドと３年契約締結で、口頭合意に達したと報じられた。メディカルチェックを経て、正式に加入を発表すると見られる。

　現在30歳のデンマーク代表MFは、昨夏に開催されたEURO2020のフィンランド戦で、突如心停止となり、昏倒。一時は選手生命が危ぶまれる状況に陥ったが、懸命なリハビリを経て昨冬、植え込み型除細動器を装着してのプレーが認められているプレミアリーグのブレントフォードで、エモーショナルなカムバックを果たした。

　今年３月のオランダとの親善試合で代表復帰も果たし、出場からわずか２分で鮮烈なゴールを奪うなど、確実に調子を取り戻しているが、元イングランド代表MFダニー・マーフィー氏は今回の移籍に納得していないようだ。

　英紙『Daily Mail』によれば、現地ラジオ局『talkSPORT』で、去就が注目を集めるユナイテッドの司令塔ブルーノ・フェルナンデスも引き合いに出し、疑問を投げかけている。
【動画】代表復帰戦でいきなりゴール上にズドン！エリクセンがかつての本拠地ヨハン・クライフ・アレナで衝撃の一発

「私はエリクセンが本当に好きだ。創造性とプレースタイルにはいつも感心させられる。様々なことに挑戦し、セットプレーが得意で、両足を使える。でも、もし私がユナイテッドのファンだったら興奮するだろうか？フェルナンデスの代わりにはないだろう。エリクセンがワールドクラス？No, no, no, no」

　かつてリバプールやトッテナムでプレーした45歳は、「ベンチから出てきて試合を変えられる」と、一定の戦力としては認めるも、プレミアのライバルとの差を埋めるための役にはふさわしくないと考えているようだ。

「冷静に考えてリバプールや（マンチェスター・）シティ、チェルシーに対して競争力を持ちたいのであれば、ユナイテッドがすべきサインではないだろう。彼はリバプールやシティに近付けられるか？フェルナンデスより優れているか？先発でプレーすることになるか？いずれもNoだ。歓迎すべき良い選手ではあるが、ユナイテッドのファンとして喜ぶべき選手ではない」

　不屈の闘志で逆境を乗り越えてきた男は、低迷する名門を救うパフォーマンスを見せ、周囲の雑音を一蹴できるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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