「これが今の自分の実力だと、しっかりと受け止めるしかない」
試合終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、非情なまでのコントラストが映し出された。ハットトリックを決めた柏のクリスティアーノが両膝をついて神に祈りを捧げ、その傍らで塩谷司は膝を抱え込んでひたすら悔しさを噛み締めた。
【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・7節
「こんなはずじゃなかった……」
第1ステージ15節の柏戦で右足を痛めて以降、初のスタメン出場となった塩谷だが、チームと同様に試合への入り方が良くなかった。開始3分、クリスティアーノをマークしていた塩谷は、左サイドから中央に飛び込んできたボールホルダーに重心が寄った瞬間、ガラ空きのゴール前にパスを出されてクリスティアーノに先制点を許してしまう。
1点ビハインドで迎えた後半も、63分にクリスティアーノにフリーでミドルシュートを決められると、77分にはカウンターに転じようとブラジル人FWのマークを外した直後に失点。塩谷は不本意にも全失点に関与する形となった。もちろん、ピンチに至る過程には様々な要素が重なったとはいえ、千葉和彦、水本裕貴と形成する“鉄壁の3バック”は本来の姿ではなく、試合後の足取り、口調はさすがに重かった。
「(1点目は)インターセプトを狙ったらボールが思ったよりも滑って……、あれは食い付いてはいけない場面だった。2点目も簡単に(シュートを)打たせ過ぎだし、3点目も(自分がマークを外して)ポジションを開くのが早すぎた。細かいところだけど、そういう一つひとつのところが失点につながってしまうな、と」
アグレッシブかつ対人に強い塩谷らしからぬ、どこかフワついた対応――。約2か月半ぶりのスタメンで実戦感覚のズレを感じさせる結果となってしまったが、本人は「なにを言っても言い訳」「(実戦感覚云々よりも)これが今の自分の実力だとしっかりと受け止めるしかない」と、敗戦の原因を作った自分を厳しく攻め立てた。
完敗を喫した柏戦で塩谷にとって明るい材料を見出すとすれば、攻撃面の変化だろう。30分、青山敏弘の展開から右サイドを上がると、ゴール前にシュート性の低空クロスを撃ち込み、佐藤寿人のシュートを演出(結果は惜しくもバー上に外れる)。65分、70分にも強烈なミドルシュートを放ち、故障欠場中に代役を務めた佐々木翔とは違うバリエーションを見せた。ただし、本人はDFとしての自覚と、チームのあるべき姿を踏まえ、守備の重要性を自分に言い聞かせるように語った。
「クロスは課題の部分。プレーの幅を広げるという意味ではああいうプレーもできればいい。でも、『まずは守備から』ではないけど、『良い守備から良い攻撃』というのがこれまでチームが実践してきたことだと思うので、良い守備ができるようにしたい」
勝負どころの夏場に、ホームで連敗を喫したダメージは大きい。しかし、優勝を目指すうえで下を向いている時間はない。これまで数々の逆境から這い上がり、Jリーグ屈指のDFに上り詰めた男なら、今回の過酷な“試練”も乗り越え、さらに成長した姿を見せてくれるはずだ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・7節
「こんなはずじゃなかった……」
第1ステージ15節の柏戦で右足を痛めて以降、初のスタメン出場となった塩谷だが、チームと同様に試合への入り方が良くなかった。開始3分、クリスティアーノをマークしていた塩谷は、左サイドから中央に飛び込んできたボールホルダーに重心が寄った瞬間、ガラ空きのゴール前にパスを出されてクリスティアーノに先制点を許してしまう。
1点ビハインドで迎えた後半も、63分にクリスティアーノにフリーでミドルシュートを決められると、77分にはカウンターに転じようとブラジル人FWのマークを外した直後に失点。塩谷は不本意にも全失点に関与する形となった。もちろん、ピンチに至る過程には様々な要素が重なったとはいえ、千葉和彦、水本裕貴と形成する“鉄壁の3バック”は本来の姿ではなく、試合後の足取り、口調はさすがに重かった。
「(1点目は)インターセプトを狙ったらボールが思ったよりも滑って……、あれは食い付いてはいけない場面だった。2点目も簡単に(シュートを)打たせ過ぎだし、3点目も(自分がマークを外して)ポジションを開くのが早すぎた。細かいところだけど、そういう一つひとつのところが失点につながってしまうな、と」
アグレッシブかつ対人に強い塩谷らしからぬ、どこかフワついた対応――。約2か月半ぶりのスタメンで実戦感覚のズレを感じさせる結果となってしまったが、本人は「なにを言っても言い訳」「(実戦感覚云々よりも)これが今の自分の実力だとしっかりと受け止めるしかない」と、敗戦の原因を作った自分を厳しく攻め立てた。
完敗を喫した柏戦で塩谷にとって明るい材料を見出すとすれば、攻撃面の変化だろう。30分、青山敏弘の展開から右サイドを上がると、ゴール前にシュート性の低空クロスを撃ち込み、佐藤寿人のシュートを演出(結果は惜しくもバー上に外れる)。65分、70分にも強烈なミドルシュートを放ち、故障欠場中に代役を務めた佐々木翔とは違うバリエーションを見せた。ただし、本人はDFとしての自覚と、チームのあるべき姿を踏まえ、守備の重要性を自分に言い聞かせるように語った。
「クロスは課題の部分。プレーの幅を広げるという意味ではああいうプレーもできればいい。でも、『まずは守備から』ではないけど、『良い守備から良い攻撃』というのがこれまでチームが実践してきたことだと思うので、良い守備ができるようにしたい」
勝負どころの夏場に、ホームで連敗を喫したダメージは大きい。しかし、優勝を目指すうえで下を向いている時間はない。これまで数々の逆境から這い上がり、Jリーグ屈指のDFに上り詰めた男なら、今回の過酷な“試練”も乗り越え、さらに成長した姿を見せてくれるはずだ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

攻撃面ではクロスやミドルシュートで佐々木とは違ったカラーを出した塩谷だったが、「良い守備から良い攻撃が、これまでチームが実践してきたこと」と守備での挽回を誓った。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
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