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「今のままだったら通用しない…」選手権、最後の椅子を掴めなかった守護神は、なぜ厳しいプロの道を選んだのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2021年12月06日

全48代表校の最後の椅子を懸けて行なわれた茨城県決勝。明秀日立GKの谷口璃成は三度目の正直に挑んだ

来季は岡山への入団が内定している明秀日立GKの谷口璃成。惜しくも選手権には一歩届かなかった。写真:安藤隆人

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 194cmの高さとすらりと伸びた長い手足。明秀日立のGK谷口璃成は、来季、ファジアーノ岡山入りが内定している。

 選手権茨城県予選決勝。すでに47の代表校が決まり、ラスト1校を決める試合が、12月5日のケーズデンキスタジアムで行なわれた。

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 2年時から正GKを務める谷口にとって、インターハイと選手権の県予選決勝の舞台に立つのはこれで三度目。しかし、過去二度はいずれも鹿島学園に敗れていた。今回の決勝の相手も鹿島学園となり、彼はリベンジに燃えていた。

 前半はその谷口の安定したゴールキーピングが光っていた。10分には相手FKからFW上野光永にドンピシャヘッドを放たれるが、冷静に横っ飛びでガッチリキャッチ。立ち上がりのピンチを防いだ。

 しかし、後半23分に右CKのボールをキャッチミス。このこぼれは味方が必死でクリアをしたが、同32分に今度は左CKに対して前に出ると、フィジカルに秀でたFW松村尚樹との競り合いでうまくキャッチできず。このこぼれはDFが右タッチラインに蹴り出したが、MF鈴木仁也のロングスローから松村に豪快に決められてしまった。

 このシュートを止めるのは難しかった。だが、ロングスローを与えてしまったのは自分のミス。重い1点を背負いながら、彼は最後までプレーをやり切った。集中を切らすことなく、毅然とした態度でゴールマウスに立ち続けた。

 だが、松村のゴールが決勝弾となり、明秀日立はまたしても決勝で涙を飲むことになった。
「2年連続決勝負けは本当に悔しいです。去年は3年生に頼ってばかりで、何もできずに終わった。今年は最上級生でチームを牽引して、下級生にいろんなものを伝えて託したいと思っていた。でも、今回も力が出しきれなかった。悔しいです」。
 敗戦直後でショックは大きかったが、彼は毅然とした態度で取材に答えていた。キャッチミスのところに触れても、彼はしっかりと自分の言葉を発した。

「僕はGKとして基礎的な技術がまだまだ足りない。明秀日立に来たことで、本当に多くのものを学んだからこそ、今があるのは間違いありません。でも、やっぱり僕がもっとしっかりとプレーをしていたらあの失点はなかった。自分がダメだったということに尽きると思います」
 
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