「もっと喜べと言われます」湘南ルーキーMF平岡大陽は、なぜ点を獲っても喜ばない?

カテゴリ:Jリーグ

佐藤亮太

2021年11月14日

プロ初得点も喜んだのは、本人以上に高校の先輩だった

残留争いの中で台頭してきたルーキーの平岡。地道な努力でプロの舞台へたどり着いた。写真:徳原隆元

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 リーグ最終盤を迎え、気になる選手がいる。今季、J1湘南ベルマーレに加入したルーキーMF平岡大陽だ。

 シーズン序盤から中盤にかけ、帯同メンバーにも入れなかったが、山口智監督就任以降、抜擢。ここまでリーグ7試合に出場。うち6試合に先発。3-5-2のダブルのトップ下で起用され、干支ひとまわり年上のMF山田直輝とポジション争いを繰り広げている。

 特長は流れるようなボール捌きと豊富な運動量。そして前に行く姿勢。まさに湘南好みの選手。MF田中聡、MF畑大雅と同じ2002年組としてチームを支えている。

 なぜ、気になったのか?

【動画】履正社ホットラインが開通! 平岡大陽のノールックパスから町野修斗がゲット!
 リーグ34節(11月3日)アウェー・札幌戦。0-1、湘南劣勢で迎えた58分、山田に代わって入った平岡が魅せた。

 投入から6分後の64分、MF田中聡を起点にFW町野修斗、MF茨田陽生とテンポよくつないだボールを最後、平岡が右足でキッチリ押し込み、追いついた。

 リーグでプロ初得点。しかも貴重な同点ゴール。どうしたって喜びを爆発するはずだが、平岡はガッツボーズをするわけでもなく、笑みを浮かべることもなく、すぐ踵を返しセンターサークルに向かった。むしろ、この得点を決めた本人以上に高校の先輩、町野が喜んでいたのが印象的だった。

 1-1で終わった札幌戦後の会見で平岡は「あのようなシーンでは焦ってしまいますが、展開が早すぎて、焦る間もなく、気付いたら入っていました」と振り返るとともに、メンバー外になった際、当時、山口コーチからのアドバイスが奏功し、「やることが明確になった分、迷いなくプレーできている」と現状を語った。

 では、なぜ、喜ばなかったのか?

「ゴールを決めることに慣れていないこと。そしてまだ同点だったので、チームとしてはもう1点取りに行こうというムード。喜ぶというより次へ次へという気持ちでした」と淡々と語った。

 ただ、より話しを聞くと、平岡は喜ばなかったのではなく、喜べなかったとも言える。そこにこれまでの歩みが見えてくる。
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