【日本代表コラム】新監督に求めたい新戦力を大胆に抜擢する度量 最適任はクルピか

カテゴリ:日本代表

加部 究

2015年02月05日

3月、6月は暫定監督でも十分、シーズン終了を待てば可能性は広がるが…。

C大阪で多くの若手を抜擢し、攻撃的なサッカーでJを盛り上げたレヴィー・クルピ監督は、代表を活性化させるには適任と言えるだろう。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 なかなか万能な監督は存在しない。どんな優秀な人材でも、クラブとの相性が合わずに結果を得られないケースはある。例えば、日本協会がしばらくラブコールを送り続けたアーセン・ベンゲルも、シーズン早々にモナコの監督を解任されたから、名古屋で突出した辣腕ぶりを発揮できた。
 
 シーズン終了の契約切れを待てば、思わぬ掘り出し物と出会える可能性が広がる。日本代表は3月に2つの親善試合があり、6月にはワールドカップ1次予選が始まるが、この数試合なら暫定監督でも十分に戦える。
 
 しかし一方でもう少し現実的な判断をするなら、日本代表に興味を持つ監督にアプローチする手もある。残念ながらコロンビア代表のホセ・ペケルマン監督は契約を延長したが、ブラジル・ワールドカップで対戦した後の会見では、まるで売り込むかのように日本代表を絶賛していた。自分が手がければ日本は伸びる。そう考える監督は、意外と少なくない。
 
 さらに可能性を広げるなら、巷間伝わるルイス・フェリペ・スコラーリや、Jリーグで実績を残したオズワルド・オリヴェイラ、さらにはレヴィー・クルピなどが挙げられる。この中で実績では最上位に来るのがスコラーリだ。ブラジルのビッグクラブで立て続けに実績を残し、同国代表を率いて2002年ワールドカップを制覇。その後はポルトガル代表を率いて、ユーロ準優勝、ワールドカップでベスト4と、南米、欧州の両大陸で結果を出した。
 
 オリヴェイラには代表監督の経験がないが、鹿島での実績のみならず、2000年にはコリンチャンスを率いてクラブ世界一を経験している。両者ともに安定した期待値は望めるだろう。
 
だが日本の現状を考えると、良い意味で最も大きなサプライズの可能性を秘めるのが、C大阪で次々に若い選手を引き上げ、攻撃的なスタイルでJリーグを盛り上げたレヴィー・クルピかもしれない。
 
 今回のアジアカップでは、新陳代謝を進めたオーストラリアが優勝し、ユース年代から実績を積み上げて来た若いUAEが日本を下した。対照的に日本は、岡田監督時代から主力の顔ぶれが固まる一方で、すべてのカテゴリーの代表がベスト4進出を逃し、若手の押し上げが弱い。このままでは3年後のワールドカップでの好成績どころか、出場が危ぶまれる事態も考えられる。
 
 だからこそ今、日本代表に最も必要なのは、新しい才能を見極める眼と、それを大胆に抜擢する度量なのだと思う。最初にC大阪の監督に就任した時、香川真司はボランチの控えでベンチ入りも難しかったのだ。継続と実験のバランスを取りながら、閉塞気味の代表を再び活性化させるには、最適任ではないかと思う。

文:加部 究(スポーツライター)
【関連記事】
いま、アギーレは何を思う――旧知の『マルカ』紙記者が胸中に迫る
アギーレ体制は10試合で終焉……歴代監督の指揮試合数は?
【日本代表】アギーレ監督 電撃解任の舞台裏
アギーレは日本サッカーとどう向き合い、何を変えようとしていたのか
【セルジオ越後の天国と地獄】協会の責任問題を追及するキャンペーンを張るべきだ

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ