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現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「苦闘する武藤。危機的状況のチームの中で」

カテゴリ:連載・コラム

ラインハルト・レーベルク

2015年10月27日

武藤が本来プレーすべきは左サイドだが…。

本職ではないCFでのプレーが続く。現状、マインツには武藤以上のCFが存在しないのも事実だ。 (C) Getty Images

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 今のマインツは、CFの武藤だけでなく、ウインガーにも効果的なプレーが見られない。主力である右サイドのクリスティアン・クレメンス(ここまで3アシスト)が負傷中で、左サイドのオプションとして期待されたマキシミリアン・バイスターも怪我が完治せず個別メニューをこなしている段階だ。

 しかもハイロ・サンペリオは調子が上がらず、パブロ・デ・ブラシスはスタミナこそあるが1対1の局面を打開する突破力と効率性を備えていない。現状を打破するためには、武藤を本職の左ウイングで起用するのが最適だろう。
 
 しかし、そうなると誰がCFを務めるのか? フロリアン・ニーダーレヒナーはペナルティーエリア内で強さを発揮するが、昨シーズンまで下部リーグでのプレー経験しかなく、トップリーグで技術的、戦術的に信頼できる選手になるまでにはまだ時間がかかる。
 
 またジョン・コルドバは負傷の影響もあって本調子でない。このコロンビア出身の新戦力は、練習では高い身体能力を活かしてまずまずのプレーを見せているが、まだブンデスリーガの水に慣れていないようだ。
 
 おそらくシュミット監督は、2部でいまだ未勝利の1860ミュンヘンと対戦する27日のDFBカップでは、ニーダーレヒナーを1トップに置くだろう。しかし31日のアウクスブルク戦(ブンデスリーガ11節)では、再び武藤をCFとしてプレーさせるに違いない。
 
 はたして、マインツは今の苦境から抜け出せるのか。ひとつ光明なのは、シャルケからオファーを受けたクリスティアン・ハイデルSDが、これを断りマインツに残るかもしれないという情報だ。クラブの頭脳とも言える敏腕SDの残留が決まれば、騒々しかったクラブの周囲が落ち着き、選手たちにも好影響を与えるかもしれない。

文:ラインハルト・レーベルク
翻訳:円賀貴子

【著者プロフィール】
Reinhard REHBERG(ラインハルト・レーベルク)/『ライン新聞』で1987年から27年にわたってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、「マインツァー・アルゲマイネ新聞」のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。
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