【試合内容】
　コンディションが万全ではない中村は２試合続けてベンチスタートも、序盤から川崎がテンポ良くパスを回して主導権を掌握。一方の松本は押し込まれながらも、40分にカウンターから田中→岩上と運んで、最後は前田がゴールバー直撃のシュートと応戦する。45分、川崎は右サイドから切り崩し、船山のパスにレナトが頭で合わせて先制点をもぎ取った。
 
　後半に入ると松本が運動量で川崎を凌駕し、果敢にゴールへと迫ってチャンスを量産。押し込まれた川崎は58分に４バックに変更。直後の62分に得たPKは大久保が外すも、65分にはCKの流れからエウシーニョが追加点。その後は松本の勢いも衰え、川崎ペースのまま試合が終わり、今季二度目のリーグ戦連勝を飾った。

【J１ PHOTOハイライト】１stステージ・16節
 
【チーム採点・寸評】
川崎　6.5
序盤から押し込んで前半だけでシュート８本を放ち、前半終了間際に相手のブロックをこじ開けた先制点は見事。後半はカウンターも浴びたが、無失点に凌いだ点は評価したい。
 
松本　5.5
プレッシングの意識は強かったが、川崎に上手くいなされてボールを奪い切れず。後半は攻撃への意識が強まりチャンスも生まれたが、ここで同点弾を決められなかったのが響いた。
 
【川崎｜採点・寸評】
GK
30　新井章太　6.5
前半、速攻につながる低弾道のキックを披露。身体全体でオビナのシュートを止めた場面では気迫が勝った。田中の一撃もはじくなど、守護神として申し分のない働きだった。
 
DF
４　井川祐輔　６
序盤からオビナとの肉弾戦を繰り広げ、空中戦でも身体を張って阻止。後半は陣形が乱れたものの、４バックに変更後は最終ラインの中央で上手くコントロールした。
 
17　武岡優斗　６
前半はエウシーニョを援護しながら時にエリア内に侵入。仕掛けの局面でアイデアを欠いた感もあるが、後半は右SBとして攻守のバランスを取った。
 
20　車屋紳太郎　６
機を見て前線まで上がるなど攻撃参加への意識が改善。後半にはクロスを止めに入った相手からハンドでPKを誘発した。１対１の守備はソツがなく、役割を全うした。
 
MF
５　谷口彰悟　６
後方で捌き役に徹し、攻撃のリズムを構築。代表とは思えない安易なミスもまだ目に付くが、徐々に迷いも見られなくなった。発展途上と考えれば及第点の出来。
 
８　小宮山尊信　６
サイドでフリーになってもクロスの質が低く、中央で合わせ切れず。後半は運動量の低下やポジションの変更に伴い、攻撃参加の回数が減った半面、守備は落ち着いた。
 
18　エウシーニョ　6.5
ふわりと浮かしたパスで先制ゴールの起点に。後半、相手に流れが傾きかけた時間帯に、CKのこぼれ球から弾丸シュートを叩き込み、チームに再び活力を与えた。
 
19　森谷賢太郎　5.5
縦横無尽に動きながらボールを引き出し、攻撃の糸口を探った。徐々にボランチでのプレーも板に付き、不用意なミスは減っているものの、効果的な崩しはまだ少ない。
 
FW
10　レナト　6.5
密集地帯でもお構いなしに鋭いドリブルで打開し、「多分初めて」と自身も語るヘディングゴール。チームに勢いをもたらした先制点の意味は大きかった。
 
13　大久保嘉人　5.5
サイドに流れて起点を作り、要所でパサーとしても脅威に。後半狙いすましたシュートはGKに防がれ、PKもGKに読まれるなど、相手の守護神が一枚上手だった。
 
15　船山貴之　６
３バックの裏を取り、中央で走り込んだレナトに絶妙のアシスト。後半に入るとめっきり存在感が薄れたが、前線で動き回って大久保らのプレースペースを作った。
 
交代出場
MF
14　中村憲剛　６
森谷に代わってボランチに入り、最初のプレーで早速チャンスに絡んだ。「ワンタッチで捌く意識」は群を抜いており、球際で難なく相手をいなす円熟のプレーが光った。
 
MF
６　山本真希　－
ゴール前で絡む場面はあったが、決定的な仕事はこなせず。無難に試合を終わらせた。
 
FW
９　杉本健勇　－
後半のロスタイムに出場。特にプレー機会はなかったが、J１通算100試合出場を達成した。
 
監督
風間八宏　6.5
序盤から一方的に押し込み、狙いどおりの崩しから先制点。後半は押し込まれる時間もあったが、すぐシステム変更を選手に伝えて、試合の流れを再び手繰り寄せた。