【ハリル会見の謎】何が真実で虚偽なのか。残ったのはいくつもの「?」だった

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2018年04月29日

どこか釈然としなかった反論会見

4月27日に日本記者クラブで会見したハリルホジッチ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 予定の1時間を軽くオーバーし、約93分間にも渡り展開された独演会。しかし、そんなヴァイッド・ハリルホジッチ元日本代表監督の反論会見も、じっくりと内容を振り返ればどこか釈然としないものがあった。
 
 日本サッカー協会の田嶋幸三会長との4月7日の会談は「5分後にその部屋から出ました」と言うが、それは本当だったのか。「技術委員会がたくさんの修復を試みたと言っていた。技術委員会の存在すら知らなかったし、誰も私のところに来て話をしたことがない。私は知らない」というのも、いかがなものか。さすがに、3年間も日本代表監督をして技術委員の存在を知らないことなどあり得るのか。
 
 ハリルホジッチ氏の会見後、著者の頭の上に浮かんだのはいくつもの「?」だった。仮に技術委員会の存在を知らなかったとしたら、日本サッカー協会に問題があるということになる。また、ハリルホジッチはこんなコメントも残した。
 
「オーストラリアに歴史的な勝利を収めてワールドカップの予選を通過した試合の後ですら、ふたりの選手ががっかりしていました。それは試合に出られなかったからです。しかし、彼らは、その前に何年も試合に出ていたわけです。彼らが出られなくてがっかりしていること自体に、私は少しがっかりしました」
 
 ここだけ切り取れば、そのふたりの選手が悪者のように聞こえる。ハリルホジッチ氏の会見を鵜呑みにするなら、同氏は被害者で、問題を起こしたのは日本サッカー協会と選手と捉えられても不思議はない。しかし、正直、ハリルホジッチ側の言い分だけを鵜呑みにするのはリスキーだ。

 日本サッカー協会を擁護するつもりはないが、前述したように引っかかるコメントは複数ある。そもそも自身を日本代表監督として引っ張ってきた霜田正浩氏(当時JFAの技術委員長/現山口レノファFC監督)の役職も知らなかったということなのだろうか……。
 「真実を探しに来た」という当のハリルホジッチ氏さえ、「残念ながら真実は見つかっていません」と述べている。だとするなら、なんのための会見だったのか。4月9日の解任発表会見ではっきりしなかった事実を当事者の口から聞ける場ではなかったのか。
 
 電撃的な解任についても、「会長が来て『では、さよなら』と。突然の出来事ですし、事前に何も知らされていない……。なぜでしょうか。私は知りたい。教えてください皆さん。他の歴代監督にも話を聞きましたが分からないと」という具合なのだから……。サッカー協会内部の動きを正確に把握しているわけではないので、「教えてください皆さん」と訴えかけられても答えようがない。
 
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