劣勢の状況に「絶対に決めようと思っていた」(小田裕太郎)
耐える時間が多くなった後半、チームを救ったのは期待の2年生ストライカーだった。
7日、2種年代最高峰の戦い、高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグが開幕。ヤンマースタジアム長居で行なわれたWESTでは、前年度王者・神戸U-18が同2位・広島ユースを1-0で退けた。
後半に入り、広島に押し込まれた神戸は、いつ得点を取られてもおかしくはない苦しい展開に陥った。そんな劣勢を吹き飛ばす決勝弾を奪ったのが、小田裕太郎(2年)だ。
昨季の開幕戦でも途中出場ながら“ごっつぁんゴール”でチームを勝利に導いた男は、2年連続で大きな結果を残す。
4-3-3の右ウイングで先発出場を果たすと、歓喜の瞬間を迎えたのは84分だ。重野祥輝(2年)が右サイドにスルーパスを配給し、相手DFの背後に飛び出した小田がビックチャンスを迎える。GKとの1対1で冷静さを失わなかった2年生アタッカーは、難なくゴールを決めた。
「0-0で相手のペースに飲み込まれてしまっていた。なので、絶対に決めようと思っていた」という小田は、虎視眈々と得点機会を狙っていたという。苦しい時にも常にゴールの意識を持ち続けた結果が、2年連続となる開幕戦での活躍を呼び込んだ。
千両役者となった小田だが、チームを率いる野田知監督から見ればまだまだ荒削りだという。
「スピードがあるので、もっと裏に抜ける動きを覚えられたら、もっと得点を取れる。最近は足元で受けてドリブルを仕掛けたがる傾向があるので、スペースでボールを受けたほうがいい」
指揮官に指摘された課題を本人も認識している。そこで参考にしているのが、キリアン・エムバペ(パリSG)のプレーだ。元々、小田は俊英FWの存在を知らなかったという。しかし、U-16日本代表の一員として、昨年6月に挑んだインターナショナルドリームカップでのこと。ゴールを決めた活躍などからネット上で“和製エムバペ”と称され、自身もフランス代表アタッカーの動画を見るようになった。
「裏の抜け出しが上手く、そのタイミングも良くて速さもある。足元で受けてドリブルもできて、得点も決められるので凄い」
本人が言うように、エムバペの動きから多くの学びを得て、今ではそのプレーをイメージしながらゲームに臨んでいる。
元々、走り高跳びをしていたという母親から譲り受けた身体能力には定評があった小田。このポテンシャルに加え、エムバベのようにプレーの幅が広がれば、今季のブレイクも十分にある。新シーズンの目標を「15ゴール以上を取って、得点王になる」と言い切る男の覚醒は、もう間近だ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
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7日、2種年代最高峰の戦い、高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグが開幕。ヤンマースタジアム長居で行なわれたWESTでは、前年度王者・神戸U-18が同2位・広島ユースを1-0で退けた。
後半に入り、広島に押し込まれた神戸は、いつ得点を取られてもおかしくはない苦しい展開に陥った。そんな劣勢を吹き飛ばす決勝弾を奪ったのが、小田裕太郎(2年)だ。
昨季の開幕戦でも途中出場ながら“ごっつぁんゴール”でチームを勝利に導いた男は、2年連続で大きな結果を残す。
4-3-3の右ウイングで先発出場を果たすと、歓喜の瞬間を迎えたのは84分だ。重野祥輝(2年)が右サイドにスルーパスを配給し、相手DFの背後に飛び出した小田がビックチャンスを迎える。GKとの1対1で冷静さを失わなかった2年生アタッカーは、難なくゴールを決めた。
「0-0で相手のペースに飲み込まれてしまっていた。なので、絶対に決めようと思っていた」という小田は、虎視眈々と得点機会を狙っていたという。苦しい時にも常にゴールの意識を持ち続けた結果が、2年連続となる開幕戦での活躍を呼び込んだ。
千両役者となった小田だが、チームを率いる野田知監督から見ればまだまだ荒削りだという。
「スピードがあるので、もっと裏に抜ける動きを覚えられたら、もっと得点を取れる。最近は足元で受けてドリブルを仕掛けたがる傾向があるので、スペースでボールを受けたほうがいい」
指揮官に指摘された課題を本人も認識している。そこで参考にしているのが、キリアン・エムバペ(パリSG)のプレーだ。元々、小田は俊英FWの存在を知らなかったという。しかし、U-16日本代表の一員として、昨年6月に挑んだインターナショナルドリームカップでのこと。ゴールを決めた活躍などからネット上で“和製エムバペ”と称され、自身もフランス代表アタッカーの動画を見るようになった。
「裏の抜け出しが上手く、そのタイミングも良くて速さもある。足元で受けてドリブルもできて、得点も決められるので凄い」
本人が言うように、エムバペの動きから多くの学びを得て、今ではそのプレーをイメージしながらゲームに臨んでいる。
元々、走り高跳びをしていたという母親から譲り受けた身体能力には定評があった小田。このポテンシャルに加え、エムバベのようにプレーの幅が広がれば、今季のブレイクも十分にある。新シーズンの目標を「15ゴール以上を取って、得点王になる」と言い切る男の覚醒は、もう間近だ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
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