混戦模様の今季。勝負強さを持つ高体連組がリーグを引っ張る可能性も
7日、8日に高円宮杯JFA U-18プレミアリーグが開幕する。
20チームが東西に分かれて覇権を争う2種年代最高峰の戦い。昨季のEASTは、前評判が高かった清水ユース、青森山田、FC東京U-18の3チームが頂点を争った。最終節までもつれた優勝争いはFC東京が青森山田との直接対決を制し、悲願の初Vを達成。勢いそのままに、WESTとの日本一決定戦・チャンピオンシップ(今季からプレミアリーグファイナルに名称変更)でも凱歌を響かせた。
その中で迎える新シーズン。今季の勢力図を見ていくと、絶対的な本命が存在しないのが特徴だ。
王者・FC東京U-18は昨季と比較すると、物足りなさが残る。高校2年生の久保建英、高校3年生の平川怜が今年の主軸を担うはずだったが、昨年11月にトップ昇格。加えて、今年の3年生は例年よりも人数が少ない。今季もJ3を戦うU-23チームとの兼ね合いで起用法が流動的になる点を踏まえると、選手層に不安がある。
ただ、佐藤一樹監督が「良くなってきている」と言うようにチームの底上げは進んでいる。新主将に任命されたMF寺山翼(3年)、J3で昨季出場機会を得たDF草住晃之介(3年)が存在感を発揮しており、U-15日本代表経験者の新1年生・角昂志郎や青木友佑などが台頭してくれば上位進出は見えてくる。
その他のJ下部組織勢、柏U-18、鹿島ユース、清水ユース、浦和ユース、磐田U-18も個性的なタレントを有しているが、組織としては発展途上の段階。リーグ戦の中で力を付けていく作業が、上位進出のポイントになるはずだ。
混戦が予想される今季の戦いを考えれば、チャンスがありそうなのは高体連組。勝負強さに秀でたチームが揃っており、接戦を制するしぶとさはJユース組を凌駕するものがある。
全国の強豪が集まるサニックス杯で優勝を果たした青森山田は、今季も手強いチームに仕上がった。プロ注目のアタッカー檀崎竜孔(3年)、東京Vユースから昨秋に加わった司令塔・武眞大(3年)、195センチの大型CB三國ケネディエブス(3年)を軸に春先から好調を維持。「予想以上に守備が出来ている」と黒田剛監督も語り、堅実なサッカーで勝点を積み重ねていけば、2年ぶりのリーグ制覇も十分にあり得る。
また、市立船橋はMF郡司篤也(3年)、流経大柏DFは関川郁万(3年)が負傷離脱中。序盤戦は年代別代表経験者を欠くことになるが、その穴を補えるだけの選手たちが控えているのは心強い。今季からプレミアリーグに復帰した富山一も昨年のレギュラー・DF中田青(3年)を中心にまとまれば、台風の目になれるポテンシャルはある。
現時点でリーグを牽引するようなチームは見当たらない。今季は昨年以上に実力差が接近しているだけに、しぶとく勝点を拾う作業が大会を制するポイントになりそうだ。
文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
【日程】高円宮杯JFA U-18プレミアリーグの開幕戦カードはこちら
20チームが東西に分かれて覇権を争う2種年代最高峰の戦い。昨季のEASTは、前評判が高かった清水ユース、青森山田、FC東京U-18の3チームが頂点を争った。最終節までもつれた優勝争いはFC東京が青森山田との直接対決を制し、悲願の初Vを達成。勢いそのままに、WESTとの日本一決定戦・チャンピオンシップ(今季からプレミアリーグファイナルに名称変更)でも凱歌を響かせた。
その中で迎える新シーズン。今季の勢力図を見ていくと、絶対的な本命が存在しないのが特徴だ。
王者・FC東京U-18は昨季と比較すると、物足りなさが残る。高校2年生の久保建英、高校3年生の平川怜が今年の主軸を担うはずだったが、昨年11月にトップ昇格。加えて、今年の3年生は例年よりも人数が少ない。今季もJ3を戦うU-23チームとの兼ね合いで起用法が流動的になる点を踏まえると、選手層に不安がある。
ただ、佐藤一樹監督が「良くなってきている」と言うようにチームの底上げは進んでいる。新主将に任命されたMF寺山翼(3年)、J3で昨季出場機会を得たDF草住晃之介(3年)が存在感を発揮しており、U-15日本代表経験者の新1年生・角昂志郎や青木友佑などが台頭してくれば上位進出は見えてくる。
その他のJ下部組織勢、柏U-18、鹿島ユース、清水ユース、浦和ユース、磐田U-18も個性的なタレントを有しているが、組織としては発展途上の段階。リーグ戦の中で力を付けていく作業が、上位進出のポイントになるはずだ。
混戦が予想される今季の戦いを考えれば、チャンスがありそうなのは高体連組。勝負強さに秀でたチームが揃っており、接戦を制するしぶとさはJユース組を凌駕するものがある。
全国の強豪が集まるサニックス杯で優勝を果たした青森山田は、今季も手強いチームに仕上がった。プロ注目のアタッカー檀崎竜孔(3年)、東京Vユースから昨秋に加わった司令塔・武眞大(3年)、195センチの大型CB三國ケネディエブス(3年)を軸に春先から好調を維持。「予想以上に守備が出来ている」と黒田剛監督も語り、堅実なサッカーで勝点を積み重ねていけば、2年ぶりのリーグ制覇も十分にあり得る。
また、市立船橋はMF郡司篤也(3年)、流経大柏DFは関川郁万(3年)が負傷離脱中。序盤戦は年代別代表経験者を欠くことになるが、その穴を補えるだけの選手たちが控えているのは心強い。今季からプレミアリーグに復帰した富山一も昨年のレギュラー・DF中田青(3年)を中心にまとまれば、台風の目になれるポテンシャルはある。
現時点でリーグを牽引するようなチームは見当たらない。今季は昨年以上に実力差が接近しているだけに、しぶとく勝点を拾う作業が大会を制するポイントになりそうだ。
文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
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