【クラブW杯】パチューカ、アフリカ王者の堅守を延長後半に崩して南米王者との対戦へ!

カテゴリ:国際大会

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年12月10日

本田もパス、シュートでチャンスに絡む

チャンスに幾度も絡んだ本田。数的不利となってもなお堅守を誇るカサブランカに苦しめられたが、我慢の末に勝利を奪い、次はさらなる強大な相手グレミオと対戦する。 (C) Getty Images

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 12月9日(現地時間)、UAE・アブダビのサイード・スポーツシティ・スタジアムでクラブワールドカップ準々決勝が行なわれ、北中米カリブ王者のパチューカ(メキシコ)は、アフリカ王者のウィダード・カサブランカ(モロッコ)を1-0で下した。

 本田圭佑がトップ下としてスタメン出場を果たした一戦、ともに厳しいプレッシャーをかけ合うなかでカサブランカは序盤に再三敵陣に攻め入るが、決定的な場面を作るには至らず。しかし一方のパチューカは、立ち上がりからしばらくはまともな攻撃すら仕掛けられない。
 
 本田はカサブランカのMFナカシュの密着マークを受けて窮屈さを強いられ、前を向いてボールを運ぶプレーはなかなか見られなかったが、12分に彼を起点にした攻撃からパチューカは左サイドからアギーレがクロスを入れ、初めてペナルティーエリアにボールを運ぶ。
 
 その1分後、今度はウレタビスカヤが縦パスで右サイドを抜け出し、走り込んだサガルが中央で待ち受けたが、グラウンダーのクロスはズレてしまい、パチューカは最初のチャンスを活かせない。
 
 19分、今度は本田のダイレクトパスから再びウレタビスカヤが右サイドを独走し、エリアに侵入してクロスを入れようとするが、ギリギリのところで相手DFにブロックされた。
 
 その後、カサブランカもエリア内までボールを繋いでいく場面が幾度かあったものの、パチューカDF陣はこれ以上のプレーは許さない。守備の堅さは両チーム共通で、パチューカもこの後は得点機を掴めず、ともにシュートの少ない、非常に堅い内容のまま試合は前半を終えた。
 
 後半、開始から3分で本田に良いかたちでボールが入り、左へ展開し、ゴールに近い位置でリターンを受けるというこの試合初めてのプレーが見られると、その1分後、GKラールビのクリアボールを本田が拾い、25メートルほどの距離から強烈なシュートを右隅に飛ばしたが、わずかに枠を外れる。
 
 本田は58分にも、マルティネスが右サイドから粘って上げたクロスがクリアされたところを、ダイレクトボレーで詰めたが、これはクロスバーを大きく越えていった。
 
 パチューカは相手DFラインの裏側やサイドのスペースを衝いて、幾度もチャンスを作るが、時にラストパスの精度に欠け、そして時にコマラを中心としたカサブランカDF陣の好守によってフィニッシュまで持ち込めない。
 
 対するカサブランカも前半以上にエリア内に侵入し、シュート一歩手前まで迫るが、こちらもやはり、相手DFにクリアされる。72分にはエル・ハッダドが軽やかなボールタッチで左サイドを攻略し、アウトサイドにかけたボールをゴール前に入れて、相手に冷や汗をかかせた。
 
 ともに譲らぬまま迎えた69分、中盤で存在感を放っていたナカシュが自陣での危険なプレーでこの試合2度目の警告を受け、退場処分を受ける。カサブランカにとっては痛恨、そしてパチューカにとっては大きなチャンスが到来した。
 
 数的優位を得た中米の雄は72分にCKからグスマンが惜しいシュートを放ち、その後もカウンターからチャンスを掴みかける。しかし、カサブランカも積極的に反撃を仕掛けてフィニッシュまで持ち込み、人数の少なさを感じさせない。
 
 86分、本田が壁パスから右サイドを抜け出し、体勢を崩しながらグラウンダーで折り返そうとするが、この試合で幾多ものクロスやシュートをはね返してきた堅守のカサブランカDFはこれも好反応でブロック。アディショナルタイム、本田はハラに好クロスを上げるも、至近距離のヘディングシュートが突き刺さったのはサイドネットの外側だった。
 
 こうして、90分間でも決着はつかず、試合は延長戦へ。序盤から数的不利のカサブランカがゴール前の守備を固め、パチューカがこれを攻略にかかるというかたちで試合は進む。ここではやはり、本田の正確なパスが活きるが、相手の堅守は簡単には崩れない。
 
 104分、サンチェスがエリア右手前の好位置で倒されてパチューカはFKをゲット。本田が狙うが、シュートはGKの正面に飛んだ。
 
 延長後半、最初に仕掛けたのはカサブランカ。前半とはやや異なり、完全には引かずに機を見て得点を狙う。110分にはエル・ハダッドがうまいフェイントから抜け出してボールを持ちこみ、エル・ハジウジが右サイドから強烈なシュートでパチューカ・ゴールを脅かした。
 
 120分間で勝利を狙う意思を見せるカサブランカ。しかし112分、先制点を奪ったのはパチューカの方だった。この試合で幾度となく右サイドを抜け出したウレタビスカヤがゴールラインギリギリの位置からクロス。これをグスマンが頭で合わせ、ゴール左隅に流し込んだ。
 
 幾度も攻撃をはね返されながら、ついにカサブランカの守備の牙城を崩したパチューカが、最後まで諦めないカサブランカに脅かされながらも1点を守り切り、世界一に向けて第一関門を突破した。
 
 パチューカは12日(日本時間13日2時)、準決勝で南米王者のグレミオ(ブラジル)と対戦。カサブランカは同日の5位決定戦(アルジャジーラ対浦和レッズの敗者)に回ることとなった。
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