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【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|ボルト、ジダン、ヒフミンに感じた散り際の拘り

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年08月23日

完走できずトラックを去ったボルト。

ロンドン世界陸上の400mリレーでは途中棄権となったボルト。しかし、ボロボロになるまで走り切った英雄は大きな喝さいを浴びた。(C) Getty Images

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 少し前の話になるが、先日幕を閉じた世界陸上で印象的だったのは、やはり男子400mリレーで日本が銅メダルを手にしたレースであった。
 
 日曜日の早朝6時過ぎにテレビをつけるとテレビの字幕に日本銅メダル、そして2列目に「ボルト 引退ラストレース」と出てリプレーが流れていた。
 
 生で見逃した僕はボーッと画面を見ながら、ジャマイカはメダルが取れなかったのか…… と考えながら「まさか?」と嫌な予感。それはバトンを落としたのかな……。あるいはアンカーのボルドまで回って来ないという史上最悪な結末か……、などと思いながらレースを見守った。
 
 日本は先頭の多田が好スタート。3番手の桐生が3位で見えた時は「嬉しかった」。そしてアンカー対決では真横にボルト。ボルト相手に銅メダル獲りは難しいか、と思われた。
 
 しかし、次の瞬間、ボルトの足に故障が発生。日本が世界陸上で初の銅メダルを獲得した一方で、ボルトは痛々しく足を引きずりレース完走ならず、という結果に終わった。
 
 ボルトの引退レースは周りから見れば「悲劇」なのか。100m走の銅メダルから名誉挽回し、リレーで有終の美というストーリーを描く人たちの為に最後の力を振り絞り走ったボルト。しかし無惨にも残り50mを走り切ることが出来ず悔しい引退、「幕切れ」になった。
 
 その時、僕は輝かしく金メダルを獲り続けていた頃のボルトより、何倍もの美しさとアスリート、プロとしての凄さを感じとれた。
 
 引退を悔いなく、ボロボロにならずに、良いままで終わりたい。あるいは美しく綺麗に引退したい。日本のスポーツ界で言えば1つのチームで終わりたい。移籍をせず「ミスター〇〇」で退く。まだ出来ると見られるタイミングが美しい――。現役を退くにあたって、そんな想いを抱く選手もいるだろう。日本古来の価値観で言えば、「武士が散る時は、潔く」とでもいうような散り際の「拘り、美学」があるのであろう。
 
 見る側も応援する側もやはり強いままで、格好良いままで……。そんな想いは強いなのだと思う。それは当然だ。
 
 ただ僕の価値観は少し違う。
 
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