２月25日（現地時間）、ブンデスリーガ第22節が行なわれ、バイエルンが８-０でハンブルクを下した。
 
　２月に入って公式戦３勝１分けと好調なハンブルクが、敵地で首位チームに対してどれだけの力を見せ付けられるかが注目されたが、前半、開始からしばらくは高い位置からプレッシャーをかけ、ボールを奪うと人数をかけて攻めるなど、積極的な姿勢を見せる。
 
　４分にバイエルンに先んじてワラセがファーストシュートを放ち（DFに当たってCK）、13分にはCKのクリアボールをD・サントスがダイレクトで叩くなど（わずかに枠外）、再三バイエルンのゴールに迫った。
 
　しかし、先制点はホームチームが奪う。17分、左SBのアラバがD・コスタとのパス交換からドリブルで進み、ペナルティーエリア内へパス。受けたミュラーは右へ流し、これをビダルが正確にゴール左隅に決めた。
 
　この１点でバイエルンの攻撃に火が付いた。18分にはアラバの左からの好クロスをゴール前でトラップしたレバンドフスキが強烈なシュートを放つ。これはGKアドラーの好セーブによってクロスバーを叩いたが、バイエルンの勢いは増すばかりであった。
 
　選手の動きが多い上に速く、またパスワークも速さを増したバイエルンにハンブルクのDF陣は置き去りにされるなど、対応できない場面が多くなり、簡単にサイドを崩されるようになる。
 
　そして24分、ラームの右からのクロスに合わせようとしたミュラーが背後から倒されてバイエルンがPKをゲット。これをレバンドフスキが冷静にGKの逆を突いて決め、リードを広げる。
 
　バイエルンは、攻撃はもちろん、守備の厚みも増し、ボールを失っても後方の選手がすぐに奪い取ることで多重攻撃を仕掛けることができる。それはハンブルクにとって、ゴール前に釘付けにされることを意味していた。
 
　42分、右サイドを抜け出したミュラーの折り返しにD・コスタが合わせる。これはGKアドラーが好セーブで防いだものの、こぼれ球を拾ったレバンドフスキが、巧みなボールコントロールからシュートを決め、バイエルンは前半で３点目を挙げた。
 
　後半、開始直後には酒井がカットインからシュートを放つなど、ハンブルクは反撃を見せる。49分にはゴール正面の好位置でFKを得たが、グレゴリチュのゴール右隅を狙った鋭いシュートは、盟主ノイアーに難なくキャッチされた。
 
　そして、これがハンブルクにとって後半最後の好機となり、以降はバイエルンの分厚い攻撃に晒されることに……。同時に、ホームチームのゴールショーが幕を開けた。
 
　54分、混戦のなかでロッベンがヒールパスを通すと、レバンドフスキがフリーでダイレクトシュート。ボールはゴール右隅に決まり、エースはハットトリックを達成した。
 
　その２分後、左から持ち込んだD・コスタのパスを受けた中央のレバンドフスキが前方へスルーパスを通す。抜け出したミュラーは飛び出したGKアドラーの鼻っ先で右に流し、これをアラバが詰めて５点目をチームにもたらした。
 
　65分にゴールネットを揺らしたのは、交代出場のコマン。フンメルスの最後尾からの縦パスを受け、ワンタッチでのシュートでGKアドラーを破る。さらに彼はその４分後、フンメルスのスルーパスから、ミュラー、ロッベンに触れてこぼれたボールを後方から叩き、７点目のゴールを決めた。
 
　仕上げはロッベンだ。87分、右から持ち込み、CBマブライをフェイントで揺さぶり、完全にかわしてからシュート、ゴール左隅に流し込んだ。52分のほぼ同じ位置からのシュートはアドラーの好守で防がれたが、ここではチャンスを逃さなかった。
 
　８-０――。バイエルンにとっては記念すべき、そしてハンブルクにとってはショッキングなスコアで試合は終了した。
 
　酒井は左SBでフル出場。D・コスタ、アラバ相手に奮闘したものの、スピードで振り切られたり、サイドチェンジの浮き球パスをかぶってピンチを招いたりする場面も。攻撃では、前述のカットインからのシュート以外には、35分に一度だけオーバーラップを見せるに止まった。
 
　そしてバイエルンの猛攻が始まると、もはやキャプテンにも成す術はなかった……。