11月７日、天皇杯ラウンド16のHonda FC戦を控えるFC東京は、小平グラウンドでトレーニングを行なった。相手はここまで、岐阜（１回戦／〇２-１）、松本（２回戦／〇２-１）、盛岡（３回戦／〇２-１）とJクラブを破る“ジャイアントキリング”を果たして勝ち上がってきている。スタメン出場が有力視される高橋秀人は「平常心」が重要だと説く。
 
「練習前のミーティングで、相手のスカウティングをしました。相手云々ではなく、『一矢報いてやろう』と向かってくる相手に対して、どこまで自分たちのサッカーを貫き通せるか、だと思います」
 
　現在、森重真人と丸山祐市のCBコンビを代表活動で欠くため、高橋は吉本一謙と最終ラインの中央に入ることが濃厚だ。「メンバーについてはまだ分かりませんが」と前置きしながら、試合展開のイメージを膨らませる。
 
「ずっと彼（吉本）とは長い間一緒にやってきたので、特長は分かっているし、彼とのコンビというよりは、11人としてどうチャレンジ＆カバーを続けるか。いろんな部分でお互いに“呼応”した動きをしていきたい。リーグ戦ではそれができていたと思うので、その精度を高めていくことが重要かなと」
 
　一発勝負の天皇杯では、わずかな隙でも致命傷となる。しかし、高橋だけでなく、河野広貴も「強いと聞いているし、前から積極的に行きたい」と話しており、相手のカテゴリーが３つ下であってもFC東京の面々に油断は一切見受けられない。
 
「相手が『格下』だと思えば、チャレンジ＆カバーのカバーが遅くなるし、相手はその“一発”を勝機として狙ってくる。HondaはカテゴリーこそJFLですけど、能力やチームの完成度はJのクラブに引けを取らないと思っています。普段のリーグ戦と変わらないスタンスで臨めば、相手が狙ってくるところを消せるはず。各々の特長が出せるように、躍動感のあるサッカーがしたいです」（高橋）
 
　リーグ戦を失意の９位で終えたFC東京。高橋はチームとともに、天皇杯のタイトル奪取に向けて虎視眈々と牙を研ぐ。
 
取材・文：小田智史（サッカーダイジェスト編集部）