６月17日から30日までチェコで開催されたU-21欧州選手権は、スウェーデンの初優勝で幕を閉じた。
 
　この大会はオリンピックの欧州予選を兼ねており、優勝したスウェーデンに加えて、準優勝のポルトガル、ベスト４に勝ち上がったドイツとデンマークの４チームがリオデジャネイロ・オリンピックへの切符を手にした。
 
　このU-21欧州選手権で輝きを放ち、リオ五輪でも活躍が期待されるスター候補生を一挙ファイリング！　大会を現地取材した中野吉之伴氏が厳選した。
 
【U-21欧州選手権】
［決勝］
スウェーデン ０-０（PK４-３） ポルトガル
［準決勝］
ポルトガル ５-０ ドイツ
デンマーク １-４ スウェーデン
 
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ウィリアム・カルバリョ（MF／ポルトガル）A代表歴あり
└彷彿とさせるのは――トゥーレ・ヤヤ
└最大の武器は――ボール奪取能力、展開力、縦へのドリブル
└改善すべきは――ゲームメイク
 
　大会MVPにも選ばれたダイナミックなMFは、攻守両面で絶大な存在感を放った。しなやかな動きでボールを奪い取ると、深い位置へすっとパスを送る。攻撃が停滞すると勢いのいいドリブルで突破口を切り開いた。
 
【写真でチェック！】リオ五輪で輝くスター候補生FILE

ベルナルド・シウバ（MF／ポルトガル）A代表歴あり
└彷彿とさせるのは――セスク・ファブレガス
└最大の武器は――高い足下の技術、スルーパス
└改善すべきは――ゴールへ向かう動き
 
　典型的なCFを置かなかったポルトガル攻撃陣で鍵を握った。常に相手の嫌がるポジションを狙い、味方からボールを引き出す。激しい当りにもボールをしっかりとキープし、ダイレクトパスやスピードに乗ったドリブルで相手を揺さぶった。
 
チアゴ・イローリ（DF／ポルトガル）
└彷彿とさせるのは――ジョエル・マティプ
└最大の武器は――ヘディング、冷静な判断力
└改善すべきは――ビルドアップ時の展開力
 
　柔らかさと力強さを兼ね備えたCB。的確なポジショニングで相手の攻撃を跳ね返し、１対１の局面では最適なタイミングで距離を詰めてボールをカット。足下の技術にも長け、簡単にクリアせずにマイボールにしていたのが好印象。
 
ジョゼ・サ（GK／ポルトガル）
└彷彿とさせるのは――ティム・ハワード
└最大の武器は――シュートへの反応速度、タイミングのいい飛び出し
└改善すべきは――グラウンダーのクロスへの反応
 
　GKはポルトガルの泣きどころだったが、いい意味で期待を裏切ったこの守護神が冷静な判断と勇敢な飛び出しでチームに安定感を与えた。空中戦に強く、また至近距離からのシュートにも素早い反応で対応。決勝進出の立役者のひとりだった。