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「もうA代表でやるしかない」平河悠、ブリストル・シティでの挑戦と代表初招集までの軌跡【現地発】

カテゴリ:海外日本人

田嶋コウスケ

2025年06月04日

試合状況に応じてウイングバックとシャドーを兼任

英国の地でタフに戦い抜き、一回りも二回りも逞しくなった平河。(C)Getty Images

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「もうA代表でやるしかない」──そんな強い決意を口にしたのは、イングランド2部のブリストル・シティで奮闘を続ける平河悠だ。パリ五輪での挫折から約1年。悔しさを糧に、ついに日本代表に初選出された24歳のアタッカーが歩んできたリアルな挑戦の軌跡を追う。

――◆――◆――

「もうA代表でやるしかないという気持ちを強く持ってます」

 そんな力強い言葉を残していたのは、イングランド2部のブリストル・シティでプレーする平河悠である。日本代表の6月シリーズで初招集を受けた24歳アタッカーにとって、この舞台はかねてからの大きな目標だった。

 思い返せば、約1年前のパリ五輪。平河はU-23代表の一員として、世界の舞台に挑んでいた。

「人生の分岐点」と心を高まらせて臨んだその五輪の初戦。平河は4-3-3の右ウイングとして先発したが、試合開始からわずか22分でアクシデントが発生した。パラグアイの選手に、平河は足首を強く踏まれたのである。しばらくはプレーを続けたものの、35分に無念の交代を余儀なくされ、平河のパリ五輪は終焉を迎えた。

 その時の心境を、平河はこう振り返る。

「もう99%、悔しい気持ちしか残ってない。パラグアイ戦にスタメンで出て、人生の分岐点だと思って、挑んだ。でも、あの去り方になって、人生のターニングポイントをなくしてしまった」

 その悔しさを胸に、平河はA代表入りを目ざしてきた。2024年7月に加入したブリストル・シティで日々研鑽を積み、ついに目標としてきた舞台へとたどり着いた。

 ただこれまでの間、平河は冷静に自分を見つめてきた。視線を向けていたのは、三笘薫や堂安律、伊東純也、中村敬斗といったA代表のウインガーたち。今年3月の時点で、平河はA代表組との距離についてこう話していた。

「代表では、ウイングの選手を見てます。中村選手、三笘選手、堂安選手、伊東選手がいますけど、まだ自分との間に差があると感じています。プレミアでやっている三笘選手については試合も見ていますし、点も取っている。A代表に入ったら、彼らとの差はまだ大きいと思う。まずはA代表のピッチに立てるよう、ブリストル・シティで焦らずにやっていきたい。その先にA代表があるかなと思ってます」

 すでにW杯出場を決めていることから、森保一監督は3月シリーズから14選手を入れ替えた。ウインガーでは、三笘と堂安、前田大然が招集外。代表の底上げを期して、平河を含めて7選手が初招集された。平河としては当然、今回の代表戦でインパクトを残したい。
 
――◆――◆――

 平河は、所属先のブリストル・シティでひたすらアピールを続けてきた。

 現時点での立ち位置は準レギュラー。シーズン前半戦は4-2-3-1の右MFとして存在感を示しレギュラーとして稼働していたが、後半戦の前に転機が訪れた。

 12月下旬、チームはシステムを3-4-2-1に変更。4-2-3-1の両翼を主戦場にしていた平河だったが、新システムではベストポジションがなくなってしまったのである。

 守備時に最終ラインに吸収されるウイングバックでは「イングランドの攻撃陣を抑えるには、高さと守備強度が足りない」(地元メディア『ブリストル・ライブ』)としてレギュラーから外れ、3-4-2-1のシャドーとしてプレーする機会が増えた。

 ところがこのシャドーについても「キャリアでプレーしたことがなかった」(平河)。結果として、平河にとってベストポジションがない状態でシーズンが進み、先発とベンチスタートを繰り返すことになった。試合状況に応じて、ウイングバックとシャドーを兼任した。

 それでも、試合の流れを変える切り札、もしくはチームが攻撃的に行きたい時のアタッカーとして存在価値を示した。

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