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インドネシア戦で光った上田綺世の得点力と冨安健洋のビルドアップ能力。一方、決勝Tで致命的な欠陥になり得るのが…【コラム】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2024年01月24日

日本の枠内シュートはわずか2本

インドネシアを下した日本。冨安(中央)のビルドアップ能力は光った。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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 アジアカップのグループリーグ最終戦、インドネシアを下した日本は2位通過が確定。決勝トーナメント1回戦でグループEの1位(韓国などと当たる可能性)と対戦することになった。

 イラク戦の敗戦のショックを払拭できたかはさて置き、ひとまず勝って一息という感じだろう。アジアカップのような公式戦で重視されるのは内容以上に結果。その意味で、しっかりと白星を掴んだ点は評価したい。ただ…。

 内容には当然ながら不満はある。得点機を外し過ぎで、相手のフィジカルに苦戦するシーンも見受けられたからだ。残念だったのは、決定機逸が目に付いた堂安。シュートに持ち込む前までは完璧ながらも肝心のフィニッシュに精度を欠いて、結局、無得点に終わった。1アシストしたとはいえ、背番号10ならゴールという結果にもこだわるべきだろう。

 チーム全体を見ても、シュート14本のうち枠内がわずか2本。インドネシアにやや苦戦した原因がここにあるかもしれない。

 もうひとつ気になったのは、セットプレーでの失点。ベトナムとのグループリーグ初戦に続いてやられているわけだから、日本の明らかな弱点に映る。セットプレー時にここまで守備が不安定なのは偶然ではなく必然と捉えるべきだ。決勝トーナメント以降、これが致命的な欠陥になり得る恐れは十分にある。
 
 一方で光ったのはCF上田の得点力だ。オウンゴールになったものの、終盤に相手数人を蹴散らす形でもぎ取ったチームの3点目は「ザ・ストライカー」というものだった。先制点となったPK弾はもちろん、2点目を流し込む前のポジショニングも素晴らしく、点取り屋として徐々に本領発揮してきた印象だ。

 また、冨安も組み立て能力でさすがの存在感を示した。遠藤らにつけるパスがスピーディかつ正確で、とりわけ後半は速攻の起点になっていた。やはり冨安がいると、攻撃もスムーズになる、それを改めて証明するゲームになったとも言えるだろう。

 冨安や上田のように個で違いを作り出す選手も増えてきたが、失点癖はやはり引っ掛かる。インドネシア戦の勝利を心から喜べないのも最後の最後に失点したからだ。  

 グループリーグ3試合で全て失点。この事実は重く受け止めるべきだ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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