【現役の眼】元日本代表MF、橋本英郎が考察する「プロになれる選手、なれない選手」

カテゴリ:Jリーグ

橋本英郎

2017年09月14日

才能がある上で、努力する──。まあ勝てませんね、そんな選手には。

練習生だった橋本がプロになれたのは、言うなればタイミングが良く、運があったから──。と、本人は回顧する(写真は2001年当時)。(C)SOCCER DIGEST

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 もっと言えば、僕は2人目の監督であるフランス人のフレデリック・アントネッティさんによって、引き上げられました。Jリーグ、ナビスコカップで使ってもらえたんです。
 
 ナビスコカップの試合に出場できたきっかけは、ずばり「挨拶をちゃんとしていたから」でした。消化試合のような要素が少しあったのか、チャンスをくれました。いろんな巡り合わせがあって、監督の好みと一致したり、チャンスを与えてみようと思ってくれる場合もあるんです。
 
 プロになるきっかけは、どこに落ちているか分からないものです。で、プロになれるチャンスを拾えた選手は、やはり、努力を続けてきてきた選手に多い気がします。普段から努力していると、巡り合わせのタイミングでちゃんと力を発揮できたり、準備不足という状況には陥らないからです。
 
 日々成長しようと努力して、いろいろな方(親御さんやコーチ、監督、先輩)の話をしっかり聞いて、自分にとってなにが大切なのか、必要なのかを考えられる選手であれば、そのようなプロになれるチャンスが巡ってくると思います。
 
 誰もが認めるサッカーの才能を持っている選手は気にしないかもしれないですが、そのような選手でもこのような要素(運を引き寄せる努力)に気づいた選手は、海外で活躍、日本代表で活躍できるのだと思います。
 
 才能がある上で、努力する──。まあ勝てませんね、そんな選手には。でも才能がありながらも“気づいていない選手”とは、戦えると思います。
 
 日本人の勤勉さを活かして、いいプレーヤーがこれからもどんどん出てきてほしいですし、Jリーグのスカウトの方々にはそんなタレントをしっかり見つけてほしいですね。と同時に、規格外のズラタン・イブラヒモビッチ選手のようなバケモンと呼ばれる選手も出てきてほしいです。
 
 以上、プロになれるのはどういう選手かを、僕なりのアプローチで考えてみました。スカウトではありませんので、選手目線で捉えたことをご理解ください。

<了>
 
橋本英郎

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PROFILE
はしもと・ひでお/19795月21日生まれ、大阪府大阪市出身。ガンバ大阪の下部組織で才能を育まれ、1998年にトップ昇格。練習生からプロ契約を勝ち取り、やがて不動のボランチとして君臨し、J1初制覇やアジア制覇など西野朗体制下の黄金期を支えた。府内屈指の進学校・天王寺高校から大阪市立大学に一般入試で合格し、卒業した秀才。G大阪を2011年に退団したのちは、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、長野パルセイロでプレーし、今季から東京ヴェルディに籍を置く。日本代表はイビチャ・オシム政権下で重宝され、国際Aマッチ・15試合に出場した。現在はJリーガーとして奮闘する傍ら、サッカースクールの主宰やヨガチャリティー開催など幅広く活動中。Jリーグ通算/432試合・21得点(うちJ1は339試合・19得点/2017年9月1日現在)。173センチ・68キロ。血液型O型。
公式ブログ=http://pakila.jp/hashimoto/
ベンヌ=http://bennu.co.jp/
 
 
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